F Sharp

F#（エフシャープ）について

F#は、マイクロソフトが開発した.NETプラットフォーム用のマルチパラダイムプログラミング言語です。この言語は2002年に始まり、主にドン・サイム（Don Syme）を中心としたチームによってOCamlをベースに開発されました。F#は、その名称が示す通り、関数型プログラミング（Functional programming）を重視しており、オブジェクト指向プログラミングとも統合されています。

F#は、Visual Studio 2010以降、標準的な開発言語として組み込まれ、多くの開発者に支持されています。この言語の特徴の一つは、型安全性が高く、型推論を利用できる点です。しかし、F#はオーバーロードをサポートしているため、OCamlが持つ完全な型推論の特性は一部失われています。

F#はC#やVisual Basic .NETなど、他の.NET言語との相互運用性を持っており、.NETクラスライブラリを有効に活用することができます。また、F#はMonoやXamarinを使用することで、Android向けのアプリケーション開発も可能です。以前はSilverlightを活用したWindows Phone 7向けアプリの開発もサポートされていました。

F#の「F」は関数型プログラミング言語（Functional programming language）およびSystem Fに由来しています。

開発環境

F#の開発環境としては、Visual Studioの有償版や無償のCommunityエディションにVisual F#が含まれており、Expressエディション向けの無償ツールも利用可能です。さらに、Visual F# Tools 4.1ではRoslynコンパイラのサポートが追加され、Monoや.NET Core環境向けにF#コンパイラが移植されているため、macOSやLinuxでもF#プログラムの開発と実行が行えます。

OCamlと互換性のある標準ライブラリも完備しており、F#とOCaml双方でコンパイルできるコードを記述することができますが、クラス構文については両者に違いがあります。

構文

F#では、OCamlと互換性のある冗長な構文（verbose syntax）と、Pythonに似たインデントによる軽量構文（lightweight syntax）の2種類の構文スタイルを選択可能です。標準設定では、軽量構文が有効になっており、これによりコードがすっきりとした見た目になります。

例

以下は簡単な例として表示される「Hello, World!」のコードや、再帰による階乗計算のプログラム、再帰関数の使用例、さらにWindows フォームを用いたベーシックなGUIプログラムの例などがあります。これにより、F#の使用例が広範に示されます。

F#で書かれたソフトウェア

F#は、さまざまなソフトウェアやプロジェクトで利用されています。

参考文献

• - Chris Smith 著、鈴木幸敏 訳、頃末和義 編『プログラミングF#』（初版）オライリー・ジャパン、2008年8月。ISBN 978-4-87311-466-8。

関連項目

• - C#
• - OCaml
• - 関数型プログラミング言語

外部リンク

• - The F# Software Foundation
• - Microsoft Research - F#
• - Try F#
• - Don Syme's WebLog on F# and Other Research Projects

F#は、現代のアプリケーション開発において、多くの利点を提供する優れた選択肢となっています。

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