Xamarin

Xamarin（ザマリン）について

Xamarin（ザマリン）は、2011年5月にMono、MonoTouch、Mono for Androidの開発者によって設立された企業であり、これらは共通言語基盤（CLI）および共通言語仕様（CLS）のクロスプラットフォーム実装です。Xamarinは、Linux、Windows、iOS、Androidなど多様な環境で動作する.NETアプリケーション開発を容易にすることを目的としています。設立からの10年以上にわたり、Xamarinは多くの開発者に利用され、特にモバイルアプリケーションの開発においてその存在感を発揮しました。

Xamarinのサービスとコンポーネント

Xamarinは、各プラットフォームに特化したAPIやGUIツールキットを.NET向けにラッピングしたコンポーネントを提供しています。中でも主要なコンポーネントは以下の通りです。

• - Xamarin.Forms: XAMLを利用したクロスプラットフォームのGUIアプリケーションフレームワークです。
• - Xamarin.iOS: iOSアプリケーション開発用のフレームワークで、従来はMonoTouchと呼ばれていました。
• - Xamarin.Android: Androidアプリケーション開発のためのフレームワークです。
• - Xamarin.Mac: macOS用の開発環境で、Visual Studio for Macに統合されています。

これらのコンポーネントにより、開発者は一つのコードベースから複数のプラットフォームに対応したアプリケーションを効率的に構築することが可能です。

名前の由来と歴史

Xamarinという名前の由来は、猿のタマリンにあります。このことはミゲル・デ・イカザが設立時のインタビューで明かしています。Xamarinの歴史は、2000年にマイクロソフトが初めて.NET Frameworkを公表したことに遡ります。その後、オープンソースのMonoプロジェクトが2001年に始まり、多くの進展を遂げてきました。

2011年、Monoの開発チームが新たに設立したXamarinは、モバイル向けソフトウェアの開発に着手しました。しかし、その後の進展には多くの不安要素もあり、特にAttachments社がMonoの将来性に疑問を呈し多くの開発者をレイオフしたことが影響を与えました。しかし最終的にXamarinは、Monoおよびその関連プロジェクトの知的財産権を獲得することに成功しました。

2016年には、マイクロソフトによるXamarinの買収が合意され、同社はより広いエコシステムの一部として発展続けています。

複合的な統合開発環境

Xamarinは、クロスプラットフォームかつオープンソースの統合開発環境（IDE）であるMonoDevelopをベースにしており、バージョン4.0からはXamarin Studioと改称されました。2013年にはVisual Studio 2013と統合可能な最新のXamarinプラットフォームが登場し、これにより.NET言語を使用してiOSやAndroidアプリを開発可能となりました。ビジュアルなインターフェースを持つ新しい開発環境は、開発者に利便性を与え、モバイルアプリケーション開発の選択肢を大幅に広げました。

現在、Xamarin.Formsは.NET Multi-platform App UI (.NET MAUI)として刷新され、開発者は新しい環境への移行を進めています。これに伴って、名前空間が変更されるため、移行作業には若干の手間がありますが、長期的にはより良い環境が提供されることでしょう。

まとめと今後の展望

Xamarinは、モバイルアプリケーション開発を支える重要なフレームワークでありましたが、2024年5月1日をもってそのサポートが終了します。これに伴い、.NET MAUIがその後継技術として誕生することから、Xamarinを使用していた開発者は、今後の移行を検討する必要があります。これまでの技術的革新や開発者コミュニティの支えが、今後のさらなる発展に繋がることを期待しています。

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