F-15E (航空機)

F-15E ストライクイーグル

F-15Eは、アメリカのマクドネル・ダグラス社（現在はボーイング社）が設計した戦闘爆撃機で、愛称はストライクイーグルと呼ばれています。正式名称は単にイーグルであり、この機種は弾道ミサイルへの対策や対地攻撃能力を備えています。この機体は、F-15制空戦闘機の改良版であり、二人乗りの直列複座配置が特長です。初飛行は1986年、1994年から量産が始まり、現在ではアメリカ空軍をはじめ、サウジアラビア、イスラエル、韓国、シンガポールなど多くの国で運用されています。

概要

F-15Eは、全天候で敵の防空システムを突破できる能力を持つため、操縦と兵装システムの操作を分担するという構造になっています。前席にはパイロット、後席には兵装システム士官が搭乗します。この構成により、戦闘時の状況に柔軟に対応することが可能となっています。

1989年からの運用開始以来、湾岸戦争やイラク戦争で活躍し、高い運用成績を残しています。特に湾岸戦争では地対地ミサイルに対して多数の撃破記録があり、その能力から「スカッドバスター」とも称されています。

設計と特徴

F-15Eは、元々のF-15Bとは外観上大きな差異はありませんが、対地攻撃能力を強化するため、機体の約60%が再設計されています。機体の寿命も延長され、多くの装備を統合するために重量が増加し、その分降着装置も強化されています。

コンフォーマル・フューエル・タンクや多様なハードポイントを装備しており、兵装の搭載量は非常に大きいことも特徴です。これにより、小型のミサイルから大砲まで多様な武器を装備できます。その一方で、最大速度や機動性はF-15Cに比べ若干劣ることになりますが、対空戦闘能力は依然として非常に高い水準を維持しています。

エンジンとアビオニクス

F-15Eは、プラット・アンド・ホイットニーF100エンジンを利用しており、後にゼネラル・エレクトリック製のF110も搭載されるようになりました。エンジンのデジタル制御により、整備性や耐久性が向上しています。

アビオニクスも高性能で、AN/APG-70レーダーを使用し、全天候での多様な攻撃任務をこなすことができます。さらに、LANTIRNポッドを利用することで、夜間や悪天候時の正確な攻撃が可能となりました。現代的なデジタル処理技術や各種センサーも統合され、飛行中の情報取得能力が向上しています。

米空軍での運用状況

アメリカ空軍はF-15Eを様々な作戦で使用しており、特に地上支援任務での活躍が目立ちます。多数の改良型も登場しており、今後も運用が続けられる予定です。2035年まで主力戦闘爆撃機として位置づけられており、F-22やF-35Ａなどとともに運用されていきます。

まとめ

F-15Eは、複数の国で採用されている近代的な戦闘爆撃機であり、その高い性能と信頼性が高く評価されています。現在も開発が進んでおり、新型機であるF-15EXの登場により、その運用能力がさらに拡大することが期待されています。今後の動向にも注目が集まる機体です。

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