F3F (航空機)

概要

F3F フライングバレル（Grumman F3F Flying Barrel）は、アメリカのグラマン社によって設計された艦上戦闘機で、アメリカ海軍および海兵隊で運用されました。この機体は、アメリカ海軍で運用された最後の複葉戦闘機として知られ、その名の通り「空飛ぶ樽」のようなユニークな愛称を持っています。

開発の背景

F3Fは、グラマン社が前の機種F2Fを基に進化させたもので、社内ではG-22と呼ばれていました。主な改良点には、方向安定性の向上や燃料容量の増加があり、航空機としての性能が大いに向上しました。試作機であるXF3F-1は、1935年3月20日に初飛行を果たしましたが、初号機とその後の2号機は機体の強度や安定性に問題があり、墜落しています。

運用の歴史

量産型のF3F-1は、1935年8月に54機が発注されました。続いて、エンジン強化型のF3F-2およびF3F-3も開発されました。1936年からこの戦闘機は部隊に配備され、1941年まで運用されましたが、その後は主に練習機として使用され、1943年には全機が退役しました。

機体の特徴

F3Fは複葉機として設計されています。コックピットは胴体の中央上方に位置しており、主翼は下翼が低翼配置で、上翼は機体の上部に取り付けられています。胴体は太くて短く、主脚は引き込み式になっており、F2Fと同様に胴体の側面に格納されます。エンジンは、ライト社製のR-1820という空冷星型レシプロエンジンが搭載されています。

諸元

F3F-3型の具体的な諸元は以下の通りです。

• - 全長: 7.06 m
• - 全幅: 9.76 m
• - 全高: 2.85 m
• - 空虚重量: 1,490 kg
• - エンジン: Wright R-1820-22 星型レシプロエンジン（出力 950 hp）
• - 最大速度: 425 km/h
• - 航続距離: 1,577 km
• - 乗員: 1名
• - 武装: 7.62mm M1919機銃1挺、12.7mm M2機銃1挺
• - 爆装: 52.6 kg（116 lb）爆弾2発

派生型

F3Fにはいくつかの派生型があります:

• - XF3F-1: 試作型（3機製造）
• - F3F-1: 量産型（45機製造）
• - XF3F-2: 強化エンジン試作型（1機製造）
• - F3F-2: エンジンをWright R-1820-22（950馬力）に換装
• - XF3F-3: 改良試作型（改造1機）
• - F3F-3: 改良型（27機製造）

現存する機体

現在、F3Fは非常に珍しい存在となっており、現存する機体も限られています。これらの機体は航空博物館での展示や特別な航空イベントで見ることができます。

F3F フライングバレルは、そのユニークなデザインと歴史的役割により、航空ファンや戦闘機愛好者にとって特別な魅力を持つ機体です。

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