FAN'S MADE BEST

コブクロ ファンクラブ限定アルバム『FAN'S MADE BEST』：会員限定の特別な一枚

2012年9月5日、フォークデュオ・コブクロは、彼らのキャリアにおいて初の試みとなるファンクラブ限定アルバム『FAN'S MADE BEST』をリリースしました。現在では入手不可能な、まさに幻の作品となっています。

このアルバムは、コブクロの活動休止期間中に企画された、ファンクラブ会員参加型のプロジェクトから誕生しました。メンバーの小渕健太郎氏の意向により、一般販売されるベストアルバムとは一線を画す、ファン限定の裏ベスト的な位置付けでリリースされました。そのため、ファンクラブ会員でなければ購入することができず、特別な一枚として多くのファンから愛されています。

収録楽曲は、3つの公式ファンクラブサイトにおける会員投票によって決定されました。この投票で選ばれた楽曲の中には、初音源化となる楽曲も複数含まれており、『ココロの羽』『夜空』『光の粒』『向かい風』『Happy Birthday』の5曲が、本作で初めて世に送り出されました。特に『ココロの羽』は、投票で1位を獲得したことから、同時期に発売された『ALL SINGLES BEST 2』のボーナストラックとして再収録されるという栄誉にも輝いています。

アルバムは通常盤に加え、抽選販売で選ばれたファンには、DVD付きのギターケース型スペシャルパッケージも用意されました。この豪華なパッケージも、アルバムの希少価値を高める一因となっています。

『FAN'S MADE BEST』は、ワーナーミュージックジャパン所属の山下達郎氏の『ADD SOME MUSIC TO YOUR DAY』のような、広く一般に販売されるアルバムとは明確に異なり、完全にファンクラブ会員向けの限定販売というスタンスを貫きました。そのため、オークションなどでの転売は厳禁とされており、会員限定の特別な作品であるという意識が強く反映されています。

『ALL SINGLES BEST 2』のアルバム解説や、同梱のチラシにも『FAN'S MADE BEST』の存在は記されていますが、公式ファンクラブサイトなどでは「『FAN'S MADE BEST』は現在販売していません」という注意書きが小さく記載されており、その希少性を改めて強調しています。

収録楽曲の詳細

アルバムはDISC1とDISC2の2枚組で構成され、それぞれのDISCには、コブクロの代表曲やカップリング曲、ライブ音源、そして初音源化楽曲がバランス良く収録されています。

DISC1

ココロの羽（初音源化）：投票1位で『ALL SINGLES BEST 2』にも収録
夜空（初音源化）：2012年H.I.S. CMソング、2010年スタジアムライブで初披露
NOTE：5thアルバム『NAMELESS WORLD』収録曲
潮騒ドライブ：8thシングル「blue blue」カップリング曲
ストリートのテーマ (from 2008.9.6 和歌山県紀三井寺運動公園陸上競技場)：2008年ライブ音源
光の粒（初音源化）：ファンの間で人気のクリスマスソング
今と未来を繋ぐもの：12thシングル「桜」カップリング曲
どんな空でも (from 2008.6.5 大阪城ホール)：2008年ライブ音源
夢唄 〜Back to street〜：1999年レコーディング楽曲、2012年版を収録
そばにいれるなら：インディーズアルバム『ANSWER』収録曲の再録
ANSWER：1stアルバム『Roadmade』収録曲
光：2ndアルバム『grapefruits』収録曲

DISC2

手紙：3rdアルバム『STRAIGHT』収録曲
向かい風（初音源化）
エピローグ：4thアルバム『MUSIC MAN SHIP』収録曲
To calling of love(from 2009.11.28 日本武道館)：2009年ライブ音源
遠くで… (from 2006.5.6 日本武道館)：1999年作曲の小渕氏の母への歌、2006年ライブ音源
Happy Birthday（初音源化）
彼方へ：14thシングル「蕾」カップリング曲
同じ窓から見てた空：5thアルバム『NAMELESS WORLD』収録曲
神風：7thアルバム『CALLING』収録曲
愛する人よ (Studio Live)：3rdアルバム『STRAIGHT』収録曲
WHITE DAYS：6thアルバム『5296』収録曲
Flag：5thアルバム『NAMELESS WORLD』収録曲

『FAN'S MADE BEST』は、ファン参加型の企画から生まれた、コブクロの音楽とファンの絆を象徴する特別なアルバムと言えるでしょう。その希少性と、ファンにとってかけがえのない一枚であるという点において、コブクロの歴史においても重要な作品となっています。

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