FINAL BEST

LINDBERG非公認ベストアルバム『FINAL BEST』：解散直前に届けられた、ファンのためのメモリアル作品

2002年8月21日、日本の音楽シーンに衝撃が走りました。人気ロックバンドLINDBERGの解散発表からわずか3日前、インペリアルレコードより彼らの非公認ベストアルバム『FINAL BEST』がリリースされたのです。

このアルバムは、メンバーの関与なく制作されたファンメイド的作品と言えるでしょう。しかし、その内容は決して粗雑なものではなく、むしろLINDBERGの歴史を凝縮した、彼らの軌跡を辿る旅のような魅力に溢れています。

選曲は、主にインペリアルレコードからリリースされた1999年の『LINDBERG XII』までの楽曲から構成されており、それ以降の作品からは選曲されていません。年代順に並べられた選曲は、LINDBERGの音楽遍歴を辿るタイムトラベルのような体験を提供してくれます。

特に注目すべきは、1992年リリースのアルバム『FLIGHT RECORDER 1989-1992 -little wing-』に収録されている楽曲「10セントの小宇宙」から「Dream On 抱きしめて」までの6曲が、本作では再録バージョンで収録されている点です。これらの楽曲を、より洗練されたサウンドで改めて聴くことができるのは、このアルバムだけの特権と言えるでしょう。

さらに、DISC2のラストを飾る「LINDBERG BEST」メドレーは、本作でしか聴くことができない特別なものです。代表曲の数々がノンストップで繋がるこのメドレーは、LINDBERGの楽曲群の魅力を改めて再確認させてくれる、圧巻のフィナーレと言えるでしょう。

アルバム全体を通して、初期の勢いのある楽曲から、成熟したサウンドへと変化していくLINDBERGの音楽的進化を、改めて体感することが出来ます。ファンにとっては、解散という別れを惜しむとともに、彼らの軌跡を改めて振り返る、貴重な機会を与えてくれる作品です。

収録曲は、彼らの代表曲である『今すぐKiss Me』、『BELIEVE IN LOVE』、『Dream On 抱きしめて』、『LITTLE WING』といった名曲の数々から、コアなファンにも人気の深い楽曲まで網羅されており、まさにLINDBERGの集大成と言えるでしょう。それぞれの楽曲の作詞・作曲・編曲者情報も掲載されているため、楽曲制作の裏側を知る上でも、興味深い内容となっています。

『FINAL BEST』は、メンバーが関与していない非公認作品であるにも関わらず、LINDBERGの音楽的遺産をしっかりと受け継ぎ、その魅力を余すことなく伝えています。解散という悲しい出来事の裏で、熱心なファンによって作られた、彼らの音楽への愛情が感じられる、貴重な一枚と言えるでしょう。LINDBERGの音楽を愛する全てのリスナーにとって、必聴のアルバムと言えるでしょう。このアルバムを通して、彼らの音楽を再発見し、その魅力を改めて感じ取ることが出来るはずです。

このアルバムは、単なる楽曲の寄せ集めではなく、LINDBERGの歴史と軌跡を凝縮した、一つのストーリーテリングと言えるでしょう。解散という決断の後、届けられたこのアルバムは、彼らの音楽への鎮魂歌であり、同時に、ファンの彼らへの永遠の愛を込めた、感謝のメッセージと言えるのではないでしょうか。

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