FMシンフォニー・コンサート

『FMシンフォニー・コンサート』は、日本の公共放送であるNHKのFM放送で、長年にわたり親しまれたクラシック音楽番組です。

番組概要と歴史

この番組は、日本全国の主要な交響楽団や管弦楽団が各地で行った演奏会の模様を録音し、その音源を放送することを主な内容としていました。日本各地のオーケストラの活動や演奏をリスナーに届ける重要な役割を担っていました。

番組の歴史は1985年4月に始まります。当初は単独番組として放送され、毎週日曜日の午後2時から1時間の枠で構成されていました。この形態は長く続き、2006年度までの22年間、多くのクラシック音楽ファンに定着しました。

しかし、2007年度には番組編成に変更がありました。この年、本番組は日曜日の午後に放送された大型のクラシック番組『サンデークラシックワイド』内にコーナーとして内包されることになります。ここでは『海外オペラアワー』と隔週で放送され、一度の放送あたりおよそ2時間の内容で届けられました。

2008年度は再び編成が変わり、この時間帯には『オーケストラの夕べ』という番組が放送されていました。しかし、2009年度からは再び番組名が『シンフォニーコンサート』に戻され、かつてのオープニングBGMと共に単独番組として復活を遂げます。

復活後の放送時間は、毎週日曜日（ただし毎月最終日曜日を除く）の夜7時20分から9時までとなりました。この時間帯での放送は2011年度まで続きました。

そして、2012年4月1日の放送をもって、『FMシンフォニー・コンサート』という名称での放送は終了します。番組のコンセプトや役割の一部は、翌週の2012年4月8日からスタートした後継番組『ブラボー!オーケストラ』に引き継がれました。『ブラボー!オーケストラ』は夜7時20分から8時20分までの1時間番組として開始されました。

製作体制と地域性

番組の録音は、主にNHKの東京、大阪、名古屋の各放送局が中心となって行われました。東京からは月に2回程度、大阪と名古屋からはそれぞれ月に1回程度の頻度で製作され、各地で行われる演奏会の公開録音や、地域を代表するオーケストラのコンサートのライブ録音などが放送されました。

地域によっては、番組の一部または全部が差し替えられるケースもありました。特に北海道地方では、年に数回、札幌交響楽団の演奏会を放送する『札響FMコンサート』として放送されていました。

パーソナリティ

番組では、時期によって様々なパーソナリティが登場し、演奏される曲目やオーケストラ、指揮者などについて解説を行いました。主なパーソナリティは以下の通りです。

番組初期
東京：山本直純（指揮者・作曲家）、現田茂夫（指揮者）
山本直純氏が担当する回では、番組の始まりに山本氏による力強い、時に絶叫のような調子のタイトルコールが行われるのが特徴でした。
大阪：佐々木修（指揮者・プランナー）
番組末期
東京：吉松隆（作曲家・指揮者）
大阪：伊東信宏（大阪大学准教授）
伊東氏は2011年10月放送分まではアナウンサーの今城和久氏と共に担当していました。今城氏は番組開始当初、神戸放送局からの出向という形で案内役を務め、東京アナウンス室への異動後も2011年10月放送分まで引き続き大阪発の放送の案内役を務めていました。
* 名古屋：外山雄三（指揮者）

番組末期にパーソナリティを務めた吉松隆氏、伊東信宏氏、外山雄三氏は、本番組終了後も後継番組である『ブラボー!オーケストラ』で引き続き案内役を務めました。

『FMシンフォニー・コンサート』は、日本のオーケストラの活動を広く紹介し、クラシック音楽の普及に貢献した番組として、リスナーの記憶に残っています。

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