FREESPOT

FREESPOT（フリースポット）とは

FREESPOTは、FREESPOT協議会によって定義された公衆無線LANの一種です。駅、公共機関、宿泊施設、カフェなどの公共空間に設置された無線LANアクセスポイントを介して提供されます。
アクセスポイントの設置者はそれぞれ異なり、多くの場合、電気通信事業者ではありません。そのため、厳密にはインターネットサービスプロバイダとは異なります。

概要

無線LANの規格としては、IEEE 802.11bが主流でしたが、近年ではIEEE 802.11gや11nを使用したアクセスポイントが増加しています。

利用料金や利用条件は設置者に委ねられており、多くの場合無料で利用できます（ただし、ホテルや飲食店などでは、施設自体の利用料金が発生する場合があります）。

FREESPOTの大きな特徴は、他の一般的な公衆無線インターネットサービスとは異なり、暗号化やアクセス制限が施されていない点です。契約も不要で、ESSIDの設定のみで手軽に利用できます（初回アクセス時にメール認証が必要な場合があります。事前登録も可能です。認証の有効期限は最大6ヶ月で、最終利用日から6ヶ月経過すると自動的に無効になります）。

そのため、月額料金を支払うほど頻繁にインターネットを利用しないユーザーや、旅行先で一時的に利用したいユーザー、Webブラウザによるユーザー認証に対応していないゲーム機などでも利用しやすいサービスとなっています。

セキュリティ面では、アクセスポイントに接続された無線クライアントPC間の通信を禁止するPS（Privacy Separator）機能が搭載されています。

FREESPOT協議会

FREESPOT協議会は、株式会社バッファローによって提唱され、同社が主幹事会社を務めています。ただし、FREESPOTの利用にバッファロー製の機器が必須というわけではありません。誰でも無料でアクセスできる「アクセスポイント」を開設すれば、FREESPOTに登録できます。

協議会は、普及促進のため、公共機関や自治体を通じて「アクセスポイント用の機器」を無料配布しました。これにより、図書館、観光案内所、駅などにFREESPOTを整備する自治体が増えました。しかし、機器の設置希望者はホテルや旅館などの宿泊施設に集中する傾向があります。

導入事例

FREESPOTは、日本国内の多くの空港に設置されています。例えば、成田空港、羽田空港、関西国際空港など、20以上の空港で利用可能です。

中日本エクシス株式会社が管轄する主要サービスエリアのほとんどにもFREESPOTが導入されています。

KDDIおよび沖縄セルラー電話が提供していたauの無線LAN対応au携帯電話専用サービス「Wi-Fi WIN」では、FREESPOTが自宅外での接続環境として推奨されていました（2014年6月にサービスは終了）。

ニンテンドーWi-Fiコネクションでも、FREESPOTが自宅外での接続環境として紹介されていました。

東京臨海高速鉄道りんかい線では、大崎駅を除く各駅にFREESPOTが設置されていました。

注意点

FREESPOTは、暗号化などのセキュリティ対策が施されていないため、利用には注意が必要です。個人情報や機密情報を取り扱う際には、VPNなどを利用してセキュリティを確保することを推奨します。

外部リンク

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