F/A-18 (航空機)

F/A-18：アメリカの艦上戦闘攻撃機

F/A-18は、アメリカ合衆国のマクドネル・ダグラス社（現ボーイング社）によって開発された多目的艦上戦闘機です。この機体は、海軍および海兵隊の主力戦闘機として長年にわたり使用されてきました。多岐にわたる任務遂行能力が特徴であり、空対空戦闘や地上攻撃、偵察任務など、様々な役割を担っています。また、愛称は「ホーネット」で、これはスズメバチを指します。

開発の経緯

F/A-18の開発は、1970年代初頭のアメリカ空軍の軽量戦闘機計画にさかのぼります。その計画は、軽量で高性能な戦闘機を求めるもので、最初にノースロップ社がYF-17を開発しました。YF-17の設計は、艦載機としての改良を経てF/A-18に発展しました。当初、空軍はF-16を選ぶことになったのに対し、海軍はF/A-18を採用する道を選びました。これは、F-16が単発機であり、艦上でのエンジン異常が空中作戦において致命的であると判断されたためです。

F/A-18の開発を担当したのは、マクドネル・ダグラス社であり、彼らは艦載機開発の経験を持つことから選ばれました。YF-17を基に、艦載機化のための大幅な変更が加えられ、最初の試作機は1978年11月に初飛行を果たしました。

機体の特徴

F/A-18の外観には、エリアルールに基づいた流線形の設計が施されています。主翼と水平尾翼に挟まれた垂直尾翼や、大きな前縁・後縁フラップを備えた主翼の形状が特徴です。この機体は、艦載機特有の離着陸性能を重視した設計がなされており、中低速域での機動性に優れています。軽快な動きで急な上昇を行うことが可能で、アクロバットチーム「ブルーエンジェルス」にも採用されています。

最高速度は約マッハ1.7に達し、信頼性が高く、整備も容易です。また、複合材料を多く使用し、軽量化を図ることで、効果的な運用能力を確保しています。F/A-18は最新鋭のアビオニクスを搭載しており、レーダーや火器管制装置の性能も充実しています。

運用と実戦

F/A-18は、アメリカ海軍と海兵隊で広く運用されています。従来の戦闘飛行隊と攻撃飛行隊が統合され、戦闘攻撃飛行隊（VFA）という新しいカテゴリーが設けられました。この戦闘機は、湾岸戦争やイラク戦争を始め、多数の戦争に参加してきました。特に湾岸戦争では、数機のMiG-21を撃墜し、地上目標への攻撃も成功させました。

多様なモデルと採用国

F/A-18には複数のモデルが存在し、最初のF/A-18A/Bから最新のF/A-18E/F スーパーホーネットまでが存在します。現在、アメリカ以外にもオーストラリア、カナダ、スペイン、フィンランドなど多くの国で採用されています。各国では独自の仕様や改良が加えられて運用されています。

F/A-18は、その高い性能と多様な運用能力により、今後も長期間にわたって使用されることが期待されています。その多彩な任務を遂行する姿は、戦闘機の理想的な姿を体現しています。

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