Fh 104 (航空機)

ジーベル Fh 104ハローレ

ジーベル Fh 104ハローレは、ドイツのジーベル社によって製造された小型の双発輸送機です。この機体は1930年代の航空史において特に注目されており、連絡機として幅広く利用されていました。

概要

ジーベルがこの機体の開発に取り組んだ背景には、1934年にクレム社がハレに新しい工場を建設したことがあります。ここで、全金属製の航空機の開発が進められ、その結果として出現したのがこのFh 104です。1937年には試作機が初飛行し、同機はすぐにその性能の高さで評価されました。

Fh 104は全金属製の胴体と、合板で覆われた主翼を持ち、油圧式の降着装置を装備しています。このデザインは、当時の航空機に求められる強度と軽量性を備えたものとなっていました。そのため、420km/hの最大速度を持ちながら、巡航速度も335km/hを達成することができました。

本機の愛称である「ハローレ」は、生誕地の地名に由来しています。Fh 104は、1938年に長距離飛行競技において勝利を収め、翌年にはアフリカで40,000キロメートルを飛行しました。また、1938年度のリットリオ・ラリーでは性能賞を受賞し、その卓越した性能が広く認知されました。

運用歴

第二次世界大戦中、Fh 104はドイツ国防軍の高級将校を輸送するための重要な機体として活躍しました。アドルフ・ガーランド、アルベルト・ケッセルリンク、エルンスト・ウーデットといった幹部の公用機として利用され、また、民間機としても少なくとも15機が登録されています。このように、Fh 104は軍事利用に限らず、民間の輸送ニーズにも応えた多目的な機体でした。

後の開発では、Fh 104を基にしたより大型のジーベル Si 204が生まれるなど、その設計は後の航空機にも影響を与えました。

仕様

• - 乗員数: 1～2名
• - 搭載量: 5名までの乗客
• - 全長: 9.50メートル
• - 全幅: 12.06メートル
• - 全高: 2.64メートル
• - 翼面積: 22.3平方メートル
• - 空虚重量: 1,510キログラム
• - 運用重量: 2,350キログラム
• - エンジン: ヒルト HM 508 V型エンジン 209kW
• - 最大速度: 350km/h
• - 巡航速度: 335km/h
• - 巡航高度: 6,600メートル
• - 航続距離: 920キロメートル
• - 上昇率: 1,000メートルでの上昇率は6.0メートル/秒

Fh 104は、その特異なデザインと優れた性能から、航空機の進化に寄与したモデルとして評価され続けています。

もう一度検索