Fox Kids

Fox Kids（フォックス・キッズ）とは

Fox Kidsは、フォックス放送が1990年9月8日から2002年9月7日まで設けていた子供向け番組の放送枠です。FOXファミリー・ワールドワイド（現：ABCファミリー・ワールドワイド）が所有し、平日の午後と土曜日の朝にアニメや実写番組を放送していました。

Fox Kidsの終焉

2002年、世界的なケーブルテレビ局の増加に伴い、ニューズ・コーポレーションとハイム・サバンは、経営難に陥っていたFox Family Worldwide, Inc.をウォルト・ディズニー・カンパニーに売却しました。これにより、Fox Kidsは消滅し、2002年9月7日までは過去の作品の再放送が行われました。また、フォックス放送は同時期にこの放送枠を4キッズエンタテインメントに売却し、ディズニーはFox Kidsの消滅を受けてABC Kidsを設立しました。

Fox Kidsの歴史

Fox Kidsの歴史は、ディズニーのシンジケート放送枠であるThe Disney Afternoonと密接な関係があります。ジェイムズ・B・スチュアートの著書「DisneyWar」によると、The Disney Afternoon設立のきっかけとなった『わんぱくダック夢冒険』は、1987年9月にフォックス放送のネットワーク直営局および加盟局で初回放送されました。

当時、ディズニーの最高執行責任者だったマイケル・アイズナーは、パラマウント・ピクチャーズやアメリカン・ブロードキャスティング・カンパニーに在籍していた頃、ライバル局であるフォックス放送で同じ地位にあったバリー・ディラーの下で働いていました。このことが、Fox Kids設立に影響を与えたとスチュアートは述べています。

1988年、ディズニーはロサンゼルスのテレビ局KHJ-TVを買収し、KCAL-TVに改名しました。ディズニーはこの局で『わんぱくダック夢冒険』を放送したいと考え、フォックスの所有していたKTTVから番組を引き抜きました。この契約違反に激怒したディラーは、1989年にすべての直営局で『わんぱくダック夢冒険』の放送を打ち切り、他の加盟局にも同様の措置を講じるよう働きかけました。これに対抗して、ディズニーが設立を進めるThe Disney Afternoonに対抗するため、フォックス放送も独自の子供向け番組枠を設けることにしました。

1990年9月8日、フォックス放送とその加盟局との合同でFox Children's Networkが設立され、代表にはマーガレット・ローシュが就任しました。当初、この時間枠は平日が30分、土曜日の朝が3時間でした。1991年にはFox Kids Networkに改名され、時間枠は平日90分、土曜日の朝4時間に拡大し、翌年には平日の時間枠が2時間半に拡大されました。

後期のFox Kids

1993年から放送された『パワーレンジャー』は歴史的なヒット番組となり、同作の制作会社であるハイム・サバンのサバン・エンターテイメントとの関係を強化することをフォックス側は望むようになります。サバンがヨーロッパに強い繋がりを持っていたこともポイントでした。

フォックス放送はサバン・エンターテイメントの買収を計画しますが、サバン側に拒否されたため、フォックス放送のCEOであるチェイス・キャリーはFox Kidsとサバン社の合併を提案しました。1年間の交渉の末、1995年12月にFox Kidsはサバン・エンターテイメントと合併し、FOXキッズ・ワールドワイドとなりましたが、自社制作の番組を放送することを望むサバン側と視聴率の高い番組を放送することを望むマーガレット・ローシュの間で対立が生じました。1997年にローシュが辞任したことで、Fox Kidsの主導権はサバンが握りました。

同年秋、ニコロデオンやカートゥーンネットワークなどの専門チャンネルの影響で、地上波の子供向け番組の視聴率が低下していることを受けて、Fox Kidsの番組を放送する専門チャンネルとしてザ・ファミリー・チャンネルを買収し、FOXファミリー・チャンネルを設立しました。業界内ではFOXファミリー設立後にFox Kidsが廃止されるという噂が広まっており、フォックス内部でも宣伝効果の薄い子供向け番組よりニュース番組の放送を求める声がありました。しかし、Fox Kids社長のメル・ウッズはFox Kidsの廃止を否定しました。

1998年、4キッズエンタテインメントがアメリカで『ポケットモンスター』の放送を開始すると、Fox Kidsの人気に陰りが見え始めます。1999年、Fox Kidsは平日の放送枠を2時間にカットし、PBSで放送された『マジック・スクール・バス』を放送しました。2000年には、関連局がFox Kidsに午後3時から5時の放送ではなく、2時から4時の時間枠に変更してほしいと要望しました。ニューオーリンズやルイジアナでの放送枠は、当初6時、またはニュースが放送される5時台でしたが、1996年の時と同様に1時間繰り上げられました。WLUKといったテレビ局では、放送時間を朝10時から1時まで遅らせるなど、アメリカ合衆国でもっとも遅い時間帯での放送となりました。『マジック・スクール・バス』は不利な時間帯での放送を強いられた結果、すぐに放送が終了しました。これは、連邦通信委員会が週3時間は教育/情報番組を放送するように定めたことを満たすためと、広告収入の高いシンジケート番組の代わりに制作費の安い子供向けCMが放送されたことが原因で、ヒット作を生み出すことができなかったためです。

Fox Kids消滅後

Fox Kids撤退後、ディズニーは同番組枠と似た内容の番組を土曜日の朝に2時間放送するABC Kidsという番組枠を設けました。2002年、ディズニーは新放送枠「ジェティックス」を設立し、運営を開始しました。アメリカ国外のFox Kidsはジェティックスに変更された後、2009年以降はディズニーXDに変更されました。

現在、ディズニーはFox Familyやサバン・エンターテイメント作品の著作権を所持しており、ジェティックス枠で放送していますが、『Eek! The Cat』、『The Terrible Thunderlizards』、『アタック・オブ・ザ・キラートマト・アニメイテッド』など、エンドクレジットにFox Familyのロゴが入っている作品は、ABCfamily.comでストリーミング放送されています。

主な放送番組

Fox Kidsでは、数多くの人気アニメや実写番組が放送されました。以下に代表的な作品をいくつか紹介します。

アニメ作品

1990年：『アタック・オブ・ザ・キラートマト・アニメイテッド』、『トムとジェリーキッズ』、『Peter Pan and the Pirates』、『Piggsburg Pigs!』、『Bobby's World』
1991年：『ビートルジュース・アニメシリーズ』（シーズン4のみ）
1992年：『アルビンとチップマンクス』、『X-メン』、『タイニー・トゥーンズ』、『バットマン』
1993年：『アニマニアックス』
1994年：『怪盗カルメンサンディエゴ』、『スパイダーマン』、『マジック・スクール・バス』
1996年：『キャスパー』、『超人ハルク』
1998年：『オギー&コックローチ』、『ゴジラ ザ・シリーズ』、『スティーブン・スピルバーグのトゥーンシルバニア』、『ドンキーコング』、『ネッズニュート』
1999年：『スパイダーマン・アンリミテッド』、『デジモンアドベンチャー』、『ビーストウォーズ 超生命体トランスフォーマー』、『超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズリターンズ』
2000年：『サイバーシックス』、『時空探偵ゲンシクン』、『ダイノゾーズ』、『デジモンアドベンチャー02』
2001年：『デジモンテイマーズ』、『トランスフォーマー カーロボット』、『六門天外モンコレナイト』

実写作品

1993年：『パワーレンジャー』
1995年：『マスクド・ライダー』（第27話まで）、『ミステリー・グースバンプス』
1996年：『マイティ・モーフィン・エイリアンレンジャー』、『パワーレンジャー・ジオ』、『ビッグ・バッド・ビートルボーグ』
1997年：『ニンジャタートルズ ザ・ネクストミューテーション』、『パワーレンジャー・ターボ』、『ビートルボーグ・メタリックス』
1998年：『パワーレンジャー・イン・スペース』、『ミスティック・ナイツ・オブ・ティル・ナ・ノーグ』
1999年：『パワーレンジャー・ロスト・ギャラクシー』
2000年：『パワーレンジャー・ライトスピード・レスキュー』
2001年：『パワーレンジャー・タイムフォース』
2002年：『パワーレンジャー・ワイルドフォース』（第26話まで）

外部リンク

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