Fw 186 (航空機)

フォッケウルフ Fw 186

フォッケウルフFw 186は、1930年代にドイツのフォッケウルフ航空機製造株式会社が試作したオートジャイロです。この機体は、同社が過去の経験を基にして開発したもので、ドイツ空軍の汎用連絡機としての競争に参加するために作られました。

開発の背景

このモデルの開発は、1920年代にさかのぼります。当時、フォッケウルフ社はイギリスのシェルバ社からオートジャイロのライセンス生産権を取得し、シェルバC.19やシェルバC.30といった機体を製造していました。この経験を通じて、フォッケウルフはオートジャイロの設計と仕様に関するノウハウを蓄積しました。

1935年になり、ドイツ空軍は汎用連絡機の新しいモデルを求めて競争試作を実施します。この競争に参加するため、フォッケウルフは自社開発のオートジャイロFw 186を製作する決定を下しました。

設計と仕様

Fw 186の設計は、他の機体であるFw 56から多くの要素を流用しました。具体的には、胴体、エンジン、駆動装置をそのまま利用し、また、機体の形状も単座のデザインに改良されました。元々の複座から改良されたタンデムシートは、操縦士がより効果的に操縦できるようにデザインされています。そして、その結果として生まれたFw 186の設計は、構造的にも非常に優れたものでした。

フォッケウルフは、この新しい機体のエンジンとしてアルグス As 10Cを搭載しました。これは空冷の倒立V型8気筒エンジンで、出力は240馬力です。このパワフルなエンジンは、機体に必要な飛行性能を確保するのに役立ちました。

試作と結果

残念ながら、Fw 186の試作機は競争において他の機体、具体的にはFi 156 シュトルヒに敗北してしまいました。この結果、Fw 186は2機が製作されたのみで、その後の運用や量産には至りませんでした。オートジャイロとしての特性を備えたFw 186は、実用化にはかりそめにも届かなかったものの、当時の航空機開発の一環として重要な位置づけにあります。

まとめ

フォッケウルフFw 186は、オートジャイロの開発においてフォッケウルフ社の持っていた技術力を示すものでしたが、競争に敗れたことによってその運命は閉ざされました。結果としても、Fw 186はドイツ航空界における重要な試みの一つとして記憶されることでしょう。関連する他の機体、例えばFw 61やカ号観測機などと併せて、航空史に名を刻んでいます。

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