GJ 3021

GJ 3021

GJ 3021は、南天みずへび座の方向に位置し、地球から約57光年の距離にある連星系です。条件が良ければ肉眼でも確認できる明るさを持っています。この星系は、主星であるGJ 3021 Aと、その伴星GJ 3021 Bから構成されています。

主星 GJ 3021 A

この連星系の主星GJ 3021 Aは、私たちの太陽に似た恒星、いわゆる「ソーラーアナログ」として分類されています。その年齢については、初期の推定に幅がありましたが、2005年頃には約8億歳という説が有力視されています。

化学組成では太陽より鉄などの重元素が多く含まれ、恒星表面の彩層活動が活発で、自身の周りを速く自転しています。このような特徴を持つ主星の周囲には、太陽系外惑星が存在することが確認されています。

伴星 GJ 3021 B

伴星のGJ 3021 Bは、主星よりも小さく暗い、スペクトル型M4の赤色矮星です。主星のGJ 3021 Aからは、平均して約68天文単位（地球・太陽間の距離の約68倍）離れた軌道を周回しています。

惑星系とGJ 3021 b

GJ 3021系で最も注目されているのは、主星GJ 3021 Aの周りを公転する太陽系外惑星GJ 3021 bです。この惑星は2000年に発見され、木星のような巨大ガス惑星であると考えられています。発見には、主星のわずかな揺れ（視線速度の変動）を捉える方法が用いられました。

GJ 3021 bは、主星から約0.5天文単位の比較的近い距離を公転しており、視線速度法の観測から、その下限質量は木星の約3.37倍と見積もられています。

質量に関する議論

GJ 3021 bの真の質量については、発見当初から議論が続いています。2001年には、ヒッパルコス衛星の位置天文データに基づいた研究で、軌道傾斜角が約11.8度と推定され、真の質量は木星の約16倍にも達するという結果が発表されました。これは、一般的な惑星の定義を超える褐色矮星に相当する質量でした。

しかしその後の分析で、ヒッパルコス衛星の精度では、近くの伴星GJ 3021 Bの影響を正確に分離できないことが判明。このため、正確な軌道傾斜角や真の質量は依然不明であり、木星数倍の惑星なのか褐色矮星なのかは今後の観測次第です。

提案されている固有名

天文学者のウラジミール・リラ氏は、この惑星に「Delos（デロス）」という固有名を提案しています。

まとめ

GJ 3021系は、太陽に似た主星と赤色矮星の伴星からなる連星であり、さらに主星の周囲には巨大ガス惑星候補であるGJ 3021 bが存在するという興味深い星系です。惑星の正確な質量など、未解明な点も多く、今後の観測が期待されています。

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