GMA・T.50

ゴードン・マレー・オートモーティブ T.50：軽量化と空力性能の粋を集めたスーパーカー

伝説的なデザイナー、ゴードン・マレーが2020年に発表したT.50は、自動車業界に衝撃を与えた一台です。その最大の特徴は、徹底的な軽量化と高度な空力技術の融合にあります。カーボンファイバーを多用したシャシとボディパネルにより、車両重量は驚異的な軽さを実現。これにより、俊敏なハンドリングと優れた加速性能が両立されています。

マクラーレンF1を彷彿とさせるデザインとレイアウト

T.50のデザインには、マレーが以前手掛けたマクラーレンF1の影響が色濃く見て取れます。特徴的なセンターシートの3シーターレイアウトは、ドライバーを重視した設計思想を反映。助手席はドライバーの両側に配置され、運転に集中できる環境を提供します。

空力性能を極めた革新的テクノロジー

T.50のボディは、最新の空力技術を駆使して設計されています。後部に搭載された直径400mmの大型ファンは、車両下部を通過する空気の流れを制御。ダウンフォースの増加と空気抵抗の低減を同時に実現し、優れた走行安定性と高速性能に貢献しています。走行状況に応じて6種類のエアロモードを選択可能で、状況に最適な空力特性を得られます。

強力かつ高回転型V12エンジン

心臓部には、コスワースと共同開発した3.9L V型12気筒自然吸気エンジンを搭載。最高出力663PS、最大回転数は12,100rpmという驚異的な高回転型ユニットです。チタンなど軽量素材を積極的に採用し、エンジン自体の軽量化も徹底。マイルドハイブリッドシステムも搭載し、力強い加速とスムーズな走行を実現しています。

6速マニュアルトランスミッションと軽量設計

トランスミッションは6速MT。こちらも徹底的な軽量化が施され、スムーズなシフトチェンジと運転の楽しさを提供します。軽量化されたシャシ、エンジン、トランスミッションは、T.50の優れた運動性能の基礎となっています。

限定生産と高価格

T.50は100台限定で販売され、価格は約3億2735万円。発表後わずか48時間で完売したことから、その人気と希少性が伺えます。

T.50sニキ・ラウダ：サーキットに特化した究極のレーシングマシン

2021年には、T.50のサーキット専用モデル「T.50sニキ・ラウダ」が発表されました。F1ドライバー、ニキ・ラウダに敬意を表して命名されたこのモデルは、ロードカー版をベースとしながらも、徹底的な軽量化と空力性能の最適化が図られています。

究極の軽量化

快適装備を全て省くなど、徹底的な軽量化により、ロードカー版と比較して約100kgの軽量化を実現。車重は852kgに抑えられ、これにより圧倒的な運動性能を達成しています。

圧倒的なダウンフォース

T.50sニキ・ラウダは、ロードカー版よりもさらに進化した空力デバイスを搭載。大型リアウィングとボディ各部のエアロパーツにより、高速走行時に最大1500kgものダウンフォースを発生させます。

エンジン出力向上

エンジンは、T.50の3.9L V型12気筒自然吸気エンジンをベースに改良。最高出力は710PSにまで向上しており、エアインテークのラム効果によって高速走行時は735PSまで達します。また、可変バルブ機構の省略による軽量化も実現しています。

限定生産と独自のシリアルナンバー

T.50sニキ・ラウダは、25台限定生産。各車にはニキ・ラウダのグランプリでの勝利にちなんだ固有の名称が与えられ、購入者にはレースの歴史を記したブックレットも提供されます。販売価格は税抜約4億6000万円と、まさに究極のスーパーカーと言えるでしょう。

ゴードン・マレーのT.50とT.50sニキ・ラウダは、軽量化と空力性能という相反する要素を見事に両立させた、稀有な存在と言えるでしょう。その高い技術力と限定生産という希少性から、コレクターズアイテムとして今後も高い価値を保ち続けることは間違いありません。

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