GNOME 3
GNOME 3は、GNOMEデスクトップ環境のメジャーリリースシリーズであり、2011年4月のGNOME 3.0から継続的に開発とリリースが行われています。2020年10月時点での最新版はGNOME 3.38です。
GNOME 3は、従来のGNOME 1やGNOME 2が採用していた伝統的なデスクトップメタファーから大きく変革しました。GNOME Shellを導入し、タスク管理と仮想デスクトップ機能を備えた「Overview」と呼ばれる新しいインターフェースを採用しました。また、ウィンドウマネージャもMetacityからMutterに変更され、最小化・最大化ボタンはデフォルトで非表示となり、タイトルバーとメニューバーはヘッダーバーに統合されました。さらに、デフォルトのテーマもClearlooksからAdwaitaへと変更され、多くのGNOME Coreアプリケーションが再設計され、より統一感のあるユーザーエクスペリエンスを提供するようになりました。
GNOME 3のリリースは、メニューバーとタスクバーを廃止したことで、GNUとLinuxコミュニティで大きな議論を呼びました。伝統的なインターフェースを求めるユーザーの間では、GNOME 2のコードベースからフォークされたMATEデスクトップ環境や、Cinnamonデスクトップ環境が開発されました。Linuxカーネルの開発者であるリーナス・トーバルズも、GNOME 3の初期リリースに批判的な意見を述べていました。彼はGNOME 3.0のリリース後にGNOMEの使用を一時的にやめていましたが、その後、GNOME 3が改善されたことを認め、再び使用を再開しています。
しかし、2015年頃には、GNOME 3に対する評価はより好意的なものに変化しました。例えば、かつてGNOME 2を使用し、GNOME 3のリリース時にXfceに移行したDebianディストリビューションも、Debian 8 "Jessie" のリリースに合わせてGNOME 3の使用を再開しています。
GNOME 3は、多くのリリースを経て、機能改善と安定化を続けてきました。
GNOME 3.0 (2011年4月) は、GNOME 3シリーズの最初のリリースであり、デスクトップ全体が現代的に再設計されました。"Activities Overview"、通知機能、統合されたメッセージング機能、強化されたデスクトップ検索などが導入されました。また、付属のアプリケーションも大幅に更新されました。
GNOME 3.2 (2011年9月) では、各種オンラインアカウントのサポートが追加され、ウェブサイトをウェブアプリケーションとして登録できるようになりました。また、連絡先管理アプリ「Contacts」が追加されました。
GNOME 3.4 (2012年3月) では、「Documents」や「Epiphany」アプリケーションの見た目が刷新され、アクティビティ画面から文書を検索できるようになりました。
GNOME 3.6 (2012年9月) では、リモート/仮想マシン管理アプリ「GNOME Boxes」と時計アプリ「GNOME Clocks」が導入され、他のアプリにも多くの改良が加えられました。
GNOME 3.8 (2013年3月) では、アプリケーション起動画面が改良され、検索結果の表示も改善されました。また、拡張機能によるClassic Modeが提供開始されました。
GNOME 3.10 (2013年9月) では、Wayland対応が追加され、ヘッダーバーが導入されました。また、GNOME Music、GNOME Photos、GNOME Notes、GNOME Mapsなど、多くのアプリケーションが追加されました。
GNOME 3.12 (2014年3月) では、「ソフトウェア」アプリが改良され、新たに「GNOME Videos」アプリが追加されました。また、「gedit」が大幅にアップデートされました。
GNOME 3.14 (2014年9月) では、「GNOME Weather」アプリが再設計され、「GNOME Photos」アプリにオンラインアカウントのサポートが追加されました。また、マルチタッチとネットワークベースの共有のサポートが強化されました。
GNOME 3.16 (2015年3月) では、通知表示が再設計され、ファイルアプリが大幅に強化されました。また、スクロールバーが改良されました。
GNOME 3.18 (2015年9月) では、ファイルアプリにGoogle Driveの統合機能が追加され、ファームウェアアップデート機能がサポートされました。また、「GNOME Calendar」アプリが追加されました。
GNOME 3.20 (2016年3月) では、「ソフトウェア」アプリからOSのアップグレードが容易になり、「Photos」アプリに編集機能が追加されました。また、「Polari」（IRCクライアント）アプリが大幅に改良されました。
GNOME 3.22 (2016年9月) では、FlatpakがGNOMEに統合され、ファイルアプリで複数のファイルを同時にリネームできるようになりました。キーボード設定や「dconf Editor」にも改良が加えられました。
GNOME 3.24 (2017年3月) では、夜間モードが追加され、「Recipes」アプリケーションが追加されました。通知エリアとブラウザも強化されました。
GNOME 3.26 (2017年9月) では、検索機能が強化され、新しい絵文字が追加されました。「Web」には同期機能が追加され、ディスプレイ設定画面も改良されました。
GNOME 3.28 (2018年3月) では、「Clocks」、「Contacts」、「Calendar」などのPIM機能が強化され、Cantarellフォントが改良されました。「GNOME Usage」アプリが新たに追加されました。
GNOME 3.30 (2018年9月) では、デスクトップパフォーマンスが向上し、画面共有機能が改善されました。また、「Web」のインターフェースが変更されました。
GNOME 3.32 (2019年3月) では、設定アプリにApplicationsの項目が追加され、アプリのリソースと権限を表示・変更できるようになりました。「Boxes」と「ソフトウェア」アプリも改良されました。
GNOME 3.34 (2019年9月) では、背景プレビューが追加され、「Music」や「Boxes」などのアプリが改良されました。
GNOME 3.36 (2020年3月) は、Gresikというコードネームでリリースされ、24000件以上の改善が含まれています。拡張機能を管理する「Extensions」アプリが追加され、ロックスクリーンなどシステムUIが改善されました。設定アプリも改良されました。
GNOME 3.38 (2020年9月) は、Orbisというコードネームでリリースされ、28000件以上の改善が含まれています。Rustで開発された「Tour」アプリが導入され、ペアレンタルコントロール、GNOME Shellのアプリケーションビューなどが改善されました。また、次期リリースはGNOME 40になる予定です。
概要
GNOME 3は、従来のGNOME 1やGNOME 2が採用していた伝統的なデスクトップメタファーから大きく変革しました。GNOME Shellを導入し、タスク管理と仮想デスクトップ機能を備えた「Overview」と呼ばれる新しいインターフェースを採用しました。また、ウィンドウマネージャもMetacityからMutterに変更され、最小化・最大化ボタンはデフォルトで非表示となり、タイトルバーとメニューバーはヘッダーバーに統合されました。さらに、デフォルトのテーマもClearlooksからAdwaitaへと変更され、多くのGNOME Coreアプリケーションが再設計され、より統一感のあるユーザーエクスペリエンスを提供するようになりました。
批判
GNOME 3のリリースは、メニューバーとタスクバーを廃止したことで、GNUとLinuxコミュニティで大きな議論を呼びました。伝統的なインターフェースを求めるユーザーの間では、GNOME 2のコードベースからフォークされたMATEデスクトップ環境や、Cinnamonデスクトップ環境が開発されました。Linuxカーネルの開発者であるリーナス・トーバルズも、GNOME 3の初期リリースに批判的な意見を述べていました。彼はGNOME 3.0のリリース後にGNOMEの使用を一時的にやめていましたが、その後、GNOME 3が改善されたことを認め、再び使用を再開しています。
しかし、2015年頃には、GNOME 3に対する評価はより好意的なものに変化しました。例えば、かつてGNOME 2を使用し、GNOME 3のリリース時にXfceに移行したDebianディストリビューションも、Debian 8 "Jessie" のリリースに合わせてGNOME 3の使用を再開しています。
リリース
GNOME 3は、多くのリリースを経て、機能改善と安定化を続けてきました。
GNOME 3.0 (2011年4月) は、GNOME 3シリーズの最初のリリースであり、デスクトップ全体が現代的に再設計されました。"Activities Overview"、通知機能、統合されたメッセージング機能、強化されたデスクトップ検索などが導入されました。また、付属のアプリケーションも大幅に更新されました。
GNOME 3.2 (2011年9月) では、各種オンラインアカウントのサポートが追加され、ウェブサイトをウェブアプリケーションとして登録できるようになりました。また、連絡先管理アプリ「Contacts」が追加されました。
GNOME 3.4 (2012年3月) では、「Documents」や「Epiphany」アプリケーションの見た目が刷新され、アクティビティ画面から文書を検索できるようになりました。
GNOME 3.6 (2012年9月) では、リモート/仮想マシン管理アプリ「GNOME Boxes」と時計アプリ「GNOME Clocks」が導入され、他のアプリにも多くの改良が加えられました。
GNOME 3.8 (2013年3月) では、アプリケーション起動画面が改良され、検索結果の表示も改善されました。また、拡張機能によるClassic Modeが提供開始されました。
GNOME 3.10 (2013年9月) では、Wayland対応が追加され、ヘッダーバーが導入されました。また、GNOME Music、GNOME Photos、GNOME Notes、GNOME Mapsなど、多くのアプリケーションが追加されました。
GNOME 3.12 (2014年3月) では、「ソフトウェア」アプリが改良され、新たに「GNOME Videos」アプリが追加されました。また、「gedit」が大幅にアップデートされました。
GNOME 3.14 (2014年9月) では、「GNOME Weather」アプリが再設計され、「GNOME Photos」アプリにオンラインアカウントのサポートが追加されました。また、マルチタッチとネットワークベースの共有のサポートが強化されました。
GNOME 3.16 (2015年3月) では、通知表示が再設計され、ファイルアプリが大幅に強化されました。また、スクロールバーが改良されました。
GNOME 3.18 (2015年9月) では、ファイルアプリにGoogle Driveの統合機能が追加され、ファームウェアアップデート機能がサポートされました。また、「GNOME Calendar」アプリが追加されました。
GNOME 3.20 (2016年3月) では、「ソフトウェア」アプリからOSのアップグレードが容易になり、「Photos」アプリに編集機能が追加されました。また、「Polari」（IRCクライアント）アプリが大幅に改良されました。
GNOME 3.22 (2016年9月) では、FlatpakがGNOMEに統合され、ファイルアプリで複数のファイルを同時にリネームできるようになりました。キーボード設定や「dconf Editor」にも改良が加えられました。
GNOME 3.24 (2017年3月) では、夜間モードが追加され、「Recipes」アプリケーションが追加されました。通知エリアとブラウザも強化されました。
GNOME 3.26 (2017年9月) では、検索機能が強化され、新しい絵文字が追加されました。「Web」には同期機能が追加され、ディスプレイ設定画面も改良されました。
GNOME 3.28 (2018年3月) では、「Clocks」、「Contacts」、「Calendar」などのPIM機能が強化され、Cantarellフォントが改良されました。「GNOME Usage」アプリが新たに追加されました。
GNOME 3.30 (2018年9月) では、デスクトップパフォーマンスが向上し、画面共有機能が改善されました。また、「Web」のインターフェースが変更されました。
GNOME 3.32 (2019年3月) では、設定アプリにApplicationsの項目が追加され、アプリのリソースと権限を表示・変更できるようになりました。「Boxes」と「ソフトウェア」アプリも改良されました。
GNOME 3.34 (2019年9月) では、背景プレビューが追加され、「Music」や「Boxes」などのアプリが改良されました。
GNOME 3.36 (2020年3月) は、Gresikというコードネームでリリースされ、24000件以上の改善が含まれています。拡張機能を管理する「Extensions」アプリが追加され、ロックスクリーンなどシステムUIが改善されました。設定アプリも改良されました。
GNOME 3.38 (2020年9月) は、Orbisというコードネームでリリースされ、28000件以上の改善が含まれています。Rustで開発された「Tour」アプリが導入され、ペアレンタルコントロール、GNOME Shellのアプリケーションビューなどが改善されました。また、次期リリースはGNOME 40になる予定です。
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