GNR スターリング・シングル形蒸気機関車

グレート・ノーザン鉄道スターリング・シングル形蒸気機関車は、イギリスのグレート・ノーザン鉄道 (GNR) で活躍した蒸気機関車です。

概要

本形式は、GNRの技師長パトリック・スターリングが設計した急行旅客用機関車です。その均整の取れた優美な外観から、当時の英国で流行していた車軸配置4-2-2（シングル・ドライバー）様式の最高傑作の一つと称えられています。また、GNRの看板特急「フライング・スコッツマン」の初代牽引機としても知られています。

構造

本形式の最大の特徴は、直径8フィート1インチ（約2159ミリメートル）という巨大な動輪です。これは同時代のシングルドライバー機の中でも最大級であり、「8フーター」という愛称で親しまれていました。

スターリングが設計した他の機関車の多くは、高速走行時の安定性を重視して内側シリンダーによる動輪駆動方式を採用していました。しかし、スターリング・シングルのように巨大な動輪では、内側シリンダーを採用すると駆動スペースの関係からボイラー重心を高くする必要があり、かえって安定性を損なう恐れがありました。そのため、本形式では例外的に外側シリンダーを採用しています。

また、重量増加への対策として、先輪に2軸のボギー台車を採用しています。これもスターリングの設計としては異例の措置でした。

保存

グレート・ノーザン鉄道スターリング・シングル形蒸気機関車の1号機であるNo.1は、現在も保存されています。

フィクションへの登場

きかんしゃトーマス

テレビシリーズに登場するキャラクター「エミリー」のモデル機となっています。
名探偵コナン ベイカー街の亡霊

作中終盤で、スターリング・シングルが牽引する列車が登場し、主人公たちが乗客に紛れ込んだ切り裂きジャックを捜し出すシーンがあります。

参考文献

* 高畠潔『続イギリスの鉄道のはなし』成山堂書店、2005年12月1日。ISBN 9784425961016。

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