GOSICK -ゴシック-

『GOSICK -ゴシック-』：天才少女と留学生のミステリー

概要: 桜庭一樹による日本のミステリー小説『GOSICK -ゴシック-』は、富士見ミステリー文庫から刊行され、後に角川文庫、角川ビーンズ文庫からも刊行されました。シリーズ初期は武田日向氏が挿絵を担当、アニメ版でもそのイラストが踏襲されましたが、角川文庫版と続編ではカズモトトモミ氏のイラストに変更されています。2011年には、ボンズ制作によりテレビアニメ化もされました。

2003年の刊行開始後、高い人気を獲得し、ドラマCDや漫画版も展開されました。しかし、作者の受賞や富士見ミステリー文庫の廃刊により、一時刊行が中断。その後、角川文庫から新装版が刊行され、アニメ化発表、そして『野性時代』への短編掲載を経て、2011年に完結（第1期）を迎えました。現在、角川ビーンズ文庫からも新装版が刊行されています。

2013年には、桜庭一樹氏自身のTwitterと角川書店公式サイトで、続編『GOSICK RED』の刊行が発表され、その後も『GOSICK BLUE』など、新たなシリーズ（第2期）が展開されています。シリーズ累計部数は280万部を超えています。

あらすじ:

ソヴュール編（第1期）: 1924年、第一次世界大戦後のヨーロッパ。ソヴュール王国の聖マルグリット学園に留学中の久城一弥は、天才的な少女ヴィクトリカ・ド・ブロワと出会います。気まぐれでわがままなヴィクトリカですが、一弥は彼女の複雑な過去と純粋な心を理解し、惹かれていきます。二人は数々の事件を解決していく中で、ソヴュール王国の闇、そして世界の歪みに直面することになります。第二次世界大戦を前にして、ヴィクトリカの家族であるブロワ侯爵家、そして彼女の母親「灰色狼」コルデリア・ギャロ、奇術師ブライアン・ロスコーといった者たちの陰謀が絡み合い、一弥とヴィクトリカは時代の波にもまれながら、自身の運命と対峙していくことになります。物語の最後には、大戦を生き延びた二人が、故郷の日本で再会を果たします。

グレイウルフ探偵社編（第2期、ニューヨーク編）: 1931年、ニューヨーク。再会した一弥とヴィクトリカは、グレイウルフ探偵社を営みますが、依頼は少なく、一弥は新聞社で見習い記者として働いています。しかし、再び「旧世界の遺産」であるヴィクトリカを狙う闇の勢力が現れ、二人は新たな困難に直面します。

舞台:

ソヴュール王国: 架空のヨーロッパの王国。フランス語を公用語とし、豊かな国土と独自の「オカルト省」を持つことで知られています。

聖マルグリット学園: ソヴュール王国の名門寄宿学校。アルプス山脈のふもとに位置し、多くの秘密を秘めていると言われています。

主な登場人物:

ヴィクトリカ・ド・ブロワ: 金髪碧眼の美しい少女。優れた推理力を持つ安楽椅子探偵。一弥とは衝突も多いですが、互いに惹かれ合っています。複雑な出自と孤独を抱え、その心を一弥は少しずつ解きほぐしていきます。

久城一弥: 日本からの留学生。真面目で優しく、ヴィクトリカを支える存在。ヴィクトリカとの関係を通して、成長を遂げていきます。

グレヴィール・ド・ブロワ: ヴィクトリカの異母兄。ソヴュール警察の警部。ヴィクトリカを監視する立場でありながらも、彼女を気にかけています。

アブリル・ブラッドリー: 一弥の同級生。イギリスからの留学生。一弥に好意を抱いています。

コルデリア・ギャロ: ヴィクトリカの母。「灰色狼」と呼ばれ、ブロワ侯爵家と対立しています。

ブライアン・ロスコー: 奇術師。コルデリアと行動を共にし、ブロワ侯爵家に対抗します。

ジュピター・ロジェ: 科学アカデミーの主宰者。オカルト省と対立しています。

アルベール・ド・ブロワ侯爵: ソヴュールの有力貴族。オカルト省の重鎮。ヴィクトリカとグレヴィールの父親。

その他にも、個性豊かなキャラクターが登場し、物語に彩りを添えています。

メディア展開:

小説に加え、漫画版、ドラマCD、アニメ、ソーシャルゲームなど、様々なメディアミックス展開が行われています。アニメ版では、一部ストーリーの変更やオリジナル要素の追加などが行われています。

評価: 小説とアニメ共に高い評価を得ており、多くのファンを魅了しています。ヴィクトリカは特に人気が高く、様々な賞を受賞しています。


この作品は、魅力的なキャラクター、緻密に練られた謎、そして時代背景を巧みに織り交ぜた、奥深いミステリー小説です。 読者を引き込む物語と、その世界観は、多くの人々を虜にしています。

もう一度検索