GPワールド

GPワールド

『GPワールド』（じーぴーわーるど）は、1984年11月にセガと海外のバリー=ミッドウェイ（後のミッドウェイゲームズ）からリリースされた、レーザーディスク技術を使用したレースゲームです。独自のシステムを基にしており、プレイヤーに新しいレース体験を提供します。

ゲームの概要

このゲームは、前年にリリースされた『アストロンベルト』や『スターブレイザー』の技術を応用し、2画面を活用したレース形式を採用しています。ゲームが始まると、プレイヤーは「WEST GP」（マツダ三次テストコース）、「EAST GP」（筑波サーキット）、および「JAPAN GP」（富士スピードウェイ）の3つのコースから最初に挑戦するグランプリを選択します。選んだグランプリでは予選が行われ、規定の時間内に一周を走り切ることで、次の本戦へと進むことができます。

本戦では、設定された周回数を時間内にクリアし、所定の順位以上でゴールすることで、次のグランプリに進むことが可能です。このゲームのシンプルでありながら、緊張感のあるプログレッションがプレイヤーを引き込む要因となっています。

画面表示

『GPワールド』の画面は、実写映像のコースにCGで作られた車両を合成して表示されています。しかし、当時のグラフィック技術の制約もあって、CGの車が実写の映像上に「浮いて」いるように見える点が課題とされました。実写映像は固定されているため、プレイヤーが操作する車体の動きがCG表現と合わず、視覚的なユニークさとともに少しの違和感を生んでいました。また、画面は横2画面分の大きさがあるものの、実際には1画面をハーフミラーで拡張した形で表示されています。

専用筐体

本作は特別に設計された大型ゲーム筐体を使用しており、プレイヤーはコクピットのようなシートに座り、臨場感あふれるプレイを体験します。フロントパネルにはハンドルに加え、実際に動くタコメーターが付いており、よりリアルな走行を感じさせます。ただし、ゲームではペダルを多く使用するため、使いすぎるとペダルの動作が影響し、映像が乱れることがあります。また、ペダルを意図的に操作することで映像がずれ、本来のゲーム体験を損ねることもあります。

この大型筐体は、データイーストのLDゲーム『ロードブラスター』にも改造されて使用されたことがあります。

移植作品

『GPワールド』はその後、SG-1000用に移植されましたが、移植版はオリジナルの内容とは異なり、世界10カ国のサーキットを順に走破していくスタイルとなっています。ファミコンの『F1レース』に近い内容で、コースを制限時間内に2周する形式です。そして、最終ステージのイタリアをクリアすると、カナダのステージに再び挑むことになり、この間にコースレコードを更新することが求められます。レコードタイムと同タイムでゴールすることで、隠しコースへのアクセスも可能となります。さらに、この移植版はMSX用としてもポニーキャニオンから発売されています。

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