GRAND PRIX (東京スカパラダイスオーケストラのアルバム)

『GRAND PRIX』

『GRAND PRIX』（グランプリ）は、東京スカパラダイスオーケストラの5作目となるオリジナル・アルバムで、1995年6月21日にEpic/Sony Recordsよりリリースされました。このアルバムは、彼らのメジャーデビュー5周年を記念した作品であり、前作までのスタイルとは異なり、カバー曲やゲストボーカルをフィーチャーした楽曲が中心となっています。

制作中に、ボーカルのクリーンヘッド・ギムラが脳腫瘍で急逝するという悲劇がありましたが、その彼の思いを胸に制作が続けられました。この背景がアルバムにどのような影響を与えたかは、聞く者にさまざまな感情を呼び起こします。

収録曲とその特徴

アルバムには、様々なアーティストとのコラボレーションがあることが大きな特徴です。スターであるFUNKIE ALIENが参加した「JAM」や、スティーヴ エトウとのコラボによる『しらけちまうぜ』、さらに小沢健二がボーカルを務めた「しらけちまうぜ」はオリジナル版から新たに編曲されています。特に、スティーヴ エトウの打楽器演奏が印象的です。

また、米国のシンガー、マーヴィン・ゲイの「Stubborn Kind Of Fellow」は、Thriller Uがボーカルを取る形で収録され、CM『ホンダ・ロゴ』のテーマ曲としても親しまれました。このように、アルバム内では様々なジャンルの音楽が融合し、聴く者を楽しませてくれます。

「パンドラタイムズ」のテーマ曲である「パンドラタイムズ」や、CM『キリン 氷結ストロング』のテーマとなった楽曲など、テレビや広告とのコラボレーションも目立ちます。これにより、バンドの音楽が広く知られるきっかけとなりました。

さらに、特に注目すべきは「Skung-fu Man '95」で、竹中直人が参加しています。この楽曲は、彼の独特のスタイルが色濃く反映されており、聴く者を惹きつける存在感があります。

「What A Wonderful World」のカバーでは、Misty Oldlandがボーカルを務め、そのしっとりとした歌声が美しいハーモニーを奏でています。この曲はオリジナルのルイ・アームストロングの名曲を見事にアレンジし、新たな息吹を吹き込むことに成功しました。

このアルバムの中でも特に話題になったのが、「真赤な太陽」のカバーです。美空ひばりの名曲を石川さゆりが歌い上げ、スティーヴ エトウのリズムセクションがこれを支えています。

他にも、映画『平成無責任一家 東京デラックス』のテーマソングとされる「東京デラックス」や、「Let's Stay Together」のカバーなど、アルバム全体にわたって多彩な音楽性が楽しめます。

「Just A Little Bit Of Your Soul」は、特別に1993年にIRc2スタジオでの一発録りでレコーディングされた曲で、クリーンヘッド・ギムラのギターが印象的です。この曲は、アルバムの性質を反映した心に残るトラックです。

まとめ

『GRAND PRIX』は、その独自の音楽スタイルと多彩なコラボレーションにより、東京スカパラダイスオーケストラの作り上げた作品であり、聴く者との心のつながりを深める力を持っています。さまざまな名曲を通じて、彼らの音楽が特別な瞬間を提供していることを感じることができるでしょう。

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