GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION

GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION（ガンダムネクストフューチャーパビリオン）

概要

「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」は、2025年に大阪府大阪市此花区の夢洲で開催された2025年日本国際博覧会（大阪・関西万博）において、バンダイナムコホールディングスが主導して出展したパビリオンです。人気ロボットアニメーションシリーズ「機動戦士ガンダム」の世界観を基に、万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に沿った形で、人類とモビルスーツが共存する未来の可能性を提示しました。

施設構成と建設

本パビリオンは、万博会場に設けられた13の「民間パビリオン」の一つとして建設されました。施設は、体験型のパビリオン本体と、ランドマークとなる実物大ガンダム像の二つの要素から構成されていました。建物の建設工事は前田建設工業が担当し、パビリオン内部の装飾や体験空間の構築、そして実物大ガンダム像の設置および施工は乃村工藝社がそれぞれ担当しました。

パビリオン体験

パビリオン内部は、来場者が物語の世界を歩きながら体験するウォークスルー型のアトラクション形式でした。複数のフロアを順に進み、合計0から7までの異なるフェーズを経て進行しました。体験の中心となるのは、最新のUnreal Engine 5を用いて制作されたオリジナルの新作映像「GUNDAM: Next Universal Century」です。映像と連動した様々な演出が施され、高い没入感を生み出しました。

新作映像「GUNDAM: Next Universal Century」

この映像で描かれるのは「新しい宇宙世紀」です。ガンダムシリーズにおいて戦闘兵器として登場してきたモビルスーツが、ここでは平和目的で活用され、人類が宇宙空間で当たり前のように生活し、共に未来を築いていく姿が描かれています。この内容は、バンダイナムコグループが推進する共創プロジェクト「ガンダムオープンイノベーション」の考え方や、万博の理念である平和や共存といったテーマ性を色濃く反映しつつ、エンターテインメント作品としてもガンダムファンが満足できるような構成となっていました。また、映像体験の没入感をさらに高めるため、床面にはソニーの触覚提示技術が導入されていました。

あらすじ

物語は西暦2150年が舞台。戦争によって生み出されたモビルスーツの平和利用を目指す企業「GOIC」（GUNDAM OPEN INNOVATION CONSORTIUM）が運営する巨大宇宙ステーション「スタージャブロー」の見学ツアーに参加した来場者の視点で展開されます。マスコットキャラクターのハロに案内され、地上3万6000kmの静止軌道を周回するスタージャブローへ軌道エレベータで向かいます。宇宙ステーション内では、多種多様なモビルスーツが平和な作業に従事していました。しかし、突如として、スペースデブリに擬態していたモビルスーツ「ジオング」が暴走を開始し、ステーションを襲撃します。作業用のザクなどが応戦するも歯が立たず、次々と破壊される危機的な状況に陥る中、事態に対応するためモビルスーツ「ガンダム」が起動します。

主な登場人物とスタッフ

映像には、案内のハロとしてイークス（声：濱田岳）とポー（声：土屋太鳳）、AIパイロットのグーロウ（声：戸塚有輝）とライズン（声：金田昇）、敵対するジオング タイプMA（声：武田真治）、そして主役機のRX-78F00/E ガンダムなどが登場しました。

制作はサンライズが企画・制作を担当。原作は矢立肇、富野由悠季。監督は辻本貴則。脚本・設定考証・特殊設定は森田繁（スタジオぬえ）、メカニカルデザインは大河原邦男、明貴美加、宮本崇、マーキングデザインはカトキハジメが手掛けました。美術設定は岡田有章、色彩設計は安部なぎさ、CGディレクターは熊野祐介、CGモデリングディレクターは森田彗斗が担当。音楽はEvan Call、エンディングテーマはUyanga Boldの「Dream Beyond Forever」です。製作はバンダイナ��コフィルムワークスが行いました。

実物大ガンダム像

パビリオン施設に隣接して設置された実物大ガンダム像は、全高16.72m、頭頂高12.31m、総重量49.1トンという巨大なスケールでした。この像は、2020年12月から2024年3月まで「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」にて展示されていた「動く実物大ガンダム」の資材の一部を再利用して建造されたもので、パビリオンの映像にも登場する「RX-78F00/E ガンダム」として設定されていました。その特徴的なポーズは、片ひざを地面につきながら、右腕を空に向かって突き上げる形です。このポーズには、宇宙や未来への希望の光に手を差し伸べ、人類と共に新しい宇宙時代を切り拓いていくというメッセージが込められていると公式には説明されていますが、万博会場の建築に関するガイドラインによる制約も影響しているとの指摘もありました。バンダイナ��コホールディングスの副社長は、パビリオンのストーリー終盤、一仕事終えたガンダムの姿に、宇宙平和への願いを重ねてこのポーズになったと語っています。また、像には隠された要素として、万博公式キャラクターである「ミャクミャク」のプリントが施されていました。

関連企画と協賛

本パビリオンの協賛企業である日本航空（JAL）は、国内線用のボーイング737-800型機に、パビリオン映像に登場するRX-78F00/E ガンダム（EX-001 グラスフェザー装備）と万博公式キャラクター「ミャクミャク」をデザインした特別ラッピングを施し、「JALガンダムJET」として2025年3月3日から運行しました。さらに、WILLERグループのWILLER ACROSSと共同で「JAL×ガンダム レストランバス」も運行するなど、様々なコラボレーションが行われました。

予約システムの特色

パビリオンへの入場は原則として完全予約制でしたが、当日の運営状況を見ながら、複数の時間帯に分けて当日予約が可能な枠を開放するという独自のシステムが採用されました。この方法は、来場者にとって比較的観覧しやすいと好評を得て、SNS上では「ガンダム方式」として話題となりました。この方式は、後に万博会場のnull²や大阪ヘルスケアパビリオンなど、他のパビリオンでも参考にされる例が見られました。

協賛企業

本パビリオンの運営は、以下の企業の協賛によって支えられました。

セブン-イレブン・ジャパン
SANKYO
日本航空
乃村工藝社
* 前田建設工業

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