Game Maker

Game Makerとは

Game Makerは、Delphiプログラミング[[言語]]を用いて開発されたゲーム開発ソフトウェアです。ユトレヒト大学の教授であるMark Overmars氏が、講義での使用を目的に開発しました。1999年11月15日に最初の一般向けバージョンがリリースされ、現在の最新版はバージョン8.1です。

元々はグラフィックス作成ツール「Animo」として開発されましたが、Mark Overmars氏がAnimoをベースにゲーム開発ツールを開発し、「Game Maker」と名付けました。現在では「GameMaker: Studio」に開発が移行しており、「Game Maker 8.1」が最終バージョンとなっています。

デザインと操作性

Game Makerは、ドラッグアンドドロップを多用したインターフェースを採用しており、プログラミングに不慣れなユーザーでも、アイコンを視覚的に構成することで直感的なゲーム開発が可能です。各種動きや基本的な絵、単純な制御構造を含むアクションライブラリが付属しており、ドラッグアンドドロップ機能を拡張するために、ユーザーは独自のアクションライブラリを作成し、アクション（ドラッグアンドドロップ型コマンドアイコン）をゲームに追加することもできます。ただし、公式のライブラリビルダーツールを使用するには、ある程度の熟練が必要です。

Game Makerは、C++やJavaなどの複雑なプログラミング[[言語]]を使わずに、簡単にゲーム開発ができるように設計されており、同時に基本的なプログラミングやオブジェクト指向の教育も意図しています。経験豊富なユーザー向けには、組み込みのスクリプト[[言語]]「Game Maker Language (GML)」が用意されており、ゲームのさらなるカスタマイズや拡張が可能です。

作成したゲームは、Game MakerのEULAに従い、編集不可能な実行形式（.exe）や各バージョンのソースファイル形式（.gmk - Version 7.x、.gm6 - Version 6.x、.gmd - Version 5.xと4.x、.gmf - Version 3およびそれ以前）で配布できます。ゲームを販売することも可能ですが、Game MakerのEULAでは、著作権で保護された素材の無断使用を禁じています。

Game Makerは、欧米で広く知られ利用されています。初心者にとっては取り組みやすく、上級者にとっては複雑なタスクも実現できる点が、多くのユーザーを魅了しています。特定のジャンルに限定されず、アクションゲーム、ファーストパーソン・シューティングゲーム、サードパーソン・シューティングゲーム、MMOゲーム（MMOFPSなど）、ミニスケープなど、様々な種類のゲーム開発が可能です。また、ゲーム以外のアプリケーション開発も可能です。

機能と特徴

2009年7月現在、最新バージョンは7で、2007年2月28日にリリースされました。Game Maker 8のベータ版は2009年7月3日にリリースされました。Direct3Dを使用して、3次元コンピュータグラフィックスを限定的に利用でき、単純な3次元モデルも限定的にサポートしています。パーティクルシステムにより、雨や雪、雲などの効果も実現可能です。

Game Makerには、無料の登録不要版(Lite)と登録版(Pro)があります。登録版の価格は、20ユーロ、25ドル(アメリカ)、20ポンド、38ドル(オーストラリア)です。登録することで、DLL組み込み、Direct3D使用、物理計算と高度な描画機能などの一部機能が利用可能になります。無料版では、ゲームのロード中にGame Makerの広告が表示されますが、登録するとこれがなくなります。

現在はYoYoGames.comからダウンロードできます。グラフィックス関連は近年著しく進歩しており、アルファ補正やスプライトその他の形状のブレンディング設定が容易です。バージョン6以降はDirectX 8を採用し機能を拡張していますが、同時に動作環境の要求仕様も高度になっています。

Game Makerの機能は、Game Maker Languageの機能に限定されません。Game Makerで作成したゲームは、追加機能のためのダイナミックリンクライブラリをロードできます。コミュニティによってさまざまなDLLが開発されており、ソケットサポートやMySQL接続サポートなどがあります。バージョン7では、新たな拡張機構により、DLL、GMLスクリプト、アクションライブラリなどをまとめた拡張パッケージを作成できます。

Game Maker向けのツールとしては、ドラッグアンドドロップ機能を拡張するライブラリを作成するLibrary Maker、GMLによるスクリプト作成のためのExtension Makerなどがあります。ウェブサイトからは、いくつかのリソースパックをダウンロードできます。古いバージョンもダウンロード可能です。

Lite EditionとPro Edition

Lite Editionは無料でダウンロードできますが、機能が制限されています。Asteroidsなどのデモゲームは、Pro Editionでのみ利用可能な機能を使用しているため、Lite Editionでは実行できません。また、Lite EditionではGame Makerのロゴが表示されます。

Lite Editionにない機能としては、基本的な3次元ゲーム作成機能、CDドライブに入っているCDを再生する機能、画像の拡大縮小や形状変更などの拡張グラフィックスオプション、雨・爆発・花火などをスクリプトなどの拡張をせずに描画するパーティクルシステムの作成などがあります。

Pro Editionへのアップグレードには25ドルかかります（2009年初めに5ドル値上げ）。1つのライセンスで3つのユーザーアカウントまで利用可能です。なお、バックアップ用CD-ROMを入手するにはさらに9.95ドルが必要です。アップグレードに関しては、ProモードからLiteモードにいつの間にか戻ってしまうという問題があることが知られています。

Game Maker Language (GML)

Game Maker Language (GML)は、Game Makerにおけるスクリプト[[言語]]で、ドラッグアンドドロップシステムではなく、通常のプログラミング[[言語]]でゲームの拡張や制御を行うことができます。GMLの文法はC[[言語]]、C++、Pascalなどに似ています。そのため、それらの言語をGame Makerで使えると誤解されることがあります。

元々は、ドラッグアンドドロップのインターフェースを補完し、上級ユーザーがゲームに機能を追加するためのものとして設計されました。その後、Game Makerの基盤となり、ドラッグアンドドロップ機能は全てGMLスクリプトで記述されるようになりました。

GMLはコンパイラではなくインタプリタです。Game Makerでスタンドアロンのゲームを作成したとき、必要なGMLスクリプトは全て実行ファイル内に詰め込まれます。そして、ゲームを実行するたびに内蔵のインタプリタがGMLコードを解釈・実行します。インタプリタであるため、C++やDelphiのようなコンパイラよりも一般的に低速です。

GMLは、DLLをロードして使用する機能もサポートしています。これにより、C++、Delphi、Pascalなど、他のプログラミング[[言語]]で書かれた関数やルーチンを使用できます。

拡張パッケージ

Game Makerは、専用DLLや専用拡張ファイル（DLL、ライブラリ、GMLスクリプト、その他の必要なリソース）をサポートしています。これにより、ユーザーはGMLやC++などのコンパイラ言語を使用して、プログラムに新しい機能を追加できます。ユーザーが開発した拡張を共有するためのサイトもいくつか存在します。

YoYo Games

2007年1月26日、Mark Overmars氏はイギリスのYoYo Gamesという企業との協業を発表しました。同社のCEOであるSandy Duncan氏は、Xbox Europeの前副社長であり、同社はGame Makerの今後の開発をサポートし、開発者とゲーマーのコミュニティを発展させることを目的としています。Game Makerの開発を促進すると同時に、ユーザーのためのWebサイトを強化しようとしています。同社のWebサイトでは、ユーザーが開発したゲームをアップロードして共有する場を提供するとともに、レビューや議論の場も提供しています。また、強化されたヘルプシステムを提供し、デジタルアセットの共有もサポートしています。

YoYo GamesはGMC（Game Maker Community）を再生し、Game Maker 7をリリースしました。2007年4月28日、YoYo GamesのWebサイトが公式に公開されました。

YoYo Gamesは、Game Makerを使ったゲームの無料ホスティングサービスを提供しており、2008年1月には11,000のゲームがアップロードされました。このサイトには、ゲームをオンラインでプレイできる機能もありますが、作成者がダウンロード実行を選択している場合はダウンロードしないとプレイできません。

2008年1月10日、YoYo Gamesは「冬」をテーマとした第1回の品評会を開催し、3組の開発者に総額1750ドルの賞金が授与されました。その後、「古代文明」、「協力」、「惑星を救え」というテーマで品評会が行われています。

Game Makerのコミュニティ

Game Maker Communityはオンラインのフォーラムであり、84,000人以上の会員がいます。Game Makerとそれを使って開発したゲームについて議論する場です。より一般的なゲーム開発についても議論します。現在のフォーラムはMark Overmars氏が2003年9月18日に作成したもので、現在はYoYo Gamesの公式サイトのサブドメインとなっています。

Macintosh版

2008年、Sandy Duncan氏はGame MakerのMac OS X版を開発していると発表しました。ベータ版は2008年3月末までに動作するとされていましたが、4月後半までずれ込み、さらに11月になってようやくリリースされました。遅延の主な原因は、利用した開発ツールの機能不足とされています。

YoYo Gamesはバグ修正中であり、最終的な仕上げをしていると発表しました。当初、エディタ部なしでランタイム部だけがリリースされましたが、すぐにそのミスも対処されました。このベータ版はバグが多いものの、その多くは大きな問題ではありません。2009年6月、Sandy Duncan氏は第2ベータ版のリリースを発表しました。その際、「バグがないわけではないが、かなり使える」と評価しています。Beta 3は2009年10月までにリリースされる予定です。

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