Gnuzilla

Gnuzilla（GNUzillaとも）とは

Gnuzillaは、GNUプロジェクトによって開発された、Mozilla Application Suiteの自由ソフトウェア版です。Mozilla自体はFLOSS（自由/オープンソースソフトウェア）として開発されていますが、クラッシュ報告を行う「Talkback」というプロプライエタリなソフトウェアが含まれています。また、プラグインにもプロプライエタリなものが含まれていることが、Gnuzillaの開発を促した理由の一つです。

Mozillaの派生ソフトウェアではありますが、GnuzillaとMozillaプロダクトは、将来的なリリースを同期させ、コードの再利用を促進するため、かつてはMPL 1.1/GPL 2.0/LGPL 2.1のトリプルライセンスを採用していました。しかし、現在はMPL 2.0単独ライセンスに移行しています。

GNU IceCatへの移行

GNUプロジェクトは、すでにGnuzillaからMozilla Firefoxの派生ウェブブラウザであるGNU IceCatの開発へと移行しています。当初はGNU IceWeaselと呼ばれていましたが、Debianが提供する同名のIceweaselとの混同を避けるため、2007年に名称が変更されました。

Gnuzilla開発の背景

Mozilla Application Suiteは、ウェブブラウザ、メールクライアント、HTMLエディタなどを含む多機能なアプリケーションです。その自由ソフトウェア版であるGnuzillaは、Mozillaが抱えるプロプライエタリな要素を排除し、ユーザーがソフトウェアの自由を享受できるようにすることを目的としています。具体的には、Mozillaが提供するクラッシュ報告機能「Talkback」は、プロプライエタリソフトウェアであり、ユーザーのプライバシーに関わる問題を引き起こす可能性があります。また、プラグインの中にもプロプライエタリなものが存在し、自由ソフトウェアの理念に反するものでした。

Gnuzillaはこれらの問題を解決するために、Mozillaのコードベースを基に開発されましたが、プロプライエタリなコードはすべて削除または置き換えられました。これにより、ユーザーは完全に自由なソフトウェアとしてMozilla Application Suiteを利用できるようになりました。また、トリプルライセンスの採用は、ソフトウェアの再利用を促進し、開発コミュニティの活性化に貢献しました。

しかしながら、プロジェクトはGNU IceCatの開発へと軸足を移し、現在はウェブブラウザに特化した開発が行われています。GNU IceCatは、Mozilla Firefoxをベースに、プロプライエタリなコードや機能を排除し、ユーザーの自由とプライバシーを尊重したウェブブラウザとして提供されています。

まとめ

Gnuzillaは、Mozilla Application Suiteの自由ソフトウェア版として、ソフトウェアの自由を追求するGNUプロジェクトの理念を体現したプロジェクトでした。現在ではその役割をGNU IceCatに譲りましたが、自由ソフトウェアの精神に基づいた開発は、今もなお継続されています。GNU IceCatは、その精神を受け継ぎ、ユーザーに自由で安全なウェブブラウジング体験を提供することを目指しています。



関連項目
GNU IceCat

外部リンク
GNU GnuzillaとGnuIceCat
* Savannah

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