Goanna

Goanna（ゴアンナ）は、Moonchild Productionsによって開発された、Pale Moonブラウザ専用のレンダリングエンジンです。日本語ではオオトカゲを意味しますが、ここではブラウザの内部構造を担う重要な要素として登場します。

開発経緯

Pale Moonは長らくMozilla Firefoxと同じGeckoエンジンを使用してきました。しかし、Mozillaが新しいUIであるAustralisを標準採用した際、多くのアドオンが使えなくなるという問題が発生しました。これに対し、Pale Moonの開発チームは、独自のレンダリングエンジンを開発することを決断しました。その結果、2016年1月に初めてリリースされたのがGoannaです。2016年8月24日時点でのバージョンは2.1となっています。

特徴

GoannaはC++で記述されており、パフォーマンスと効率性を重視した設計となっています。Australisの導入により多くのFirefoxアドオンが使えなくなったことを受け、Pale Moonではいくつかの対応アドオンが提供され、Goannaでそれらを利用することができます。Geckoと比較してメモリ消費量が少なく、シングルプロセスを採用することでバックグラウンドでのメモリ使用を排除し、起動速度を向上させています。2016年3月の時点でのHTML5testのスコアはGoogle Chromeに比べて低いものの、Blinkエンジンを搭載したブラウザのように大量のメモリを消費することはありません。これにより、Pale Moonはリソースを効率的に使用し、高速かつ安定したブラウジング体験を提供しています。

標準サポート

Goannaは以下のWeb標準をサポートしています。

• - CSS Level 2.1 (CSS 3の一部もサポート)
• - DOM Level 1 and 2 (DOM 3の一部もサポート)
• - HTML4 / HTML5
• - JavaScript 1.8.5 (ECMAScript 5.1を完全サポート、ECMAScript 6を部分的にサポート)
• - MathML
• - RDF
• - XHTML 1.0
• - XML 1.0
• - SVG 1.1
• - JPEG, GIF, PNG, APNG, WebPなど、多くのビットマップ画像形式

まとめ

Goannaは、Pale Moonの独自性と高速性を支える重要な要素であり、Geckoからの脱却を目指した結果、独自の進化を遂げています。メモリ効率と高速起動を実現し、ユーザーに快適なブラウジング環境を提供することを目指しています。

参考文献

• - Pale Moon forum
• - Mozilla Foundation Trademark FAQ

外部リンク

• - GitHub issue tracker

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