Pale Moon

Pale Moon（ペイルムーン）は、Goannaレンダリングエンジンを搭載したオープンソースのウェブブラウザです。2009年に最初のバージョンがリリースされました。

開発経緯

Pale Moonは、オランダ在住のM.C. Straver氏によって開発されました。当初は「Firefoxのメモリ使用量を削減し、高速化する」ことを目指して開発が進められ、Geckoエンジンを使用していました。しかし、FirefoxのUIデザインが大幅に変更され、Australisが採用されたことで開発が難航しました。最終的に、Australisの方針を否定し、独自のアドオンやレンダリングエンジンを採用する道を選びました。開発には複数のオランダ人が関わっています。

Firefoxで廃止されつつあるXULを独自にメンテナンスし続ける意向も示していますが、人員不足の問題に直面しています。WaterfoxやSeaMonkeyの開発者に協力を求めていますが、現在のところ協力は得られていません。

特徴

64bit版の標準サポート: Pale Moonは、64bit版を標準でサポートしています。
Windows 10フォントへの完全対応: Windows 10に搭載されているフォントを完全にサポートしています。
タブの位置: 標準ではタブが下部に表示される仕様ですが、設定により上部へ変更可能です。
外観: Firefox 28以前の外観をそのまま採用しており、展開後の容量がFirefox 45の約2/3にあたる59.8MBと軽量です。
レンダリングエンジン: 2016年1月からは、GeckoからフォークしたGoannaレンダリングエンジンを採用し、さらなる高速化を目指しています。
アドオン: Firefoxの旧式アドオンとPale Moon独自のアドオンの両方を使用できます。
メモリ消費量: メモリ消費量はQtWebEngineやPrestoよりは多いです。
スタートページ: start.meの協力によるスタートページが採用されています。
機能: pdfビューアなど、ブラウジング以外の機能は一部削除されています。
検索エンジン: DuckDuckGoを標準でサポートしており、他の検索エンジンの追加も可能です。
ステータスバー: ステータスバーに表示される情報を、アドオンなしでアドレスバーに表示できます。
メールクライアント: かつてはFossamailという独自のメールクライアントを選択できましたが、2017年8月から開発が中止されています。
バージョンナンバリング: 当初はFirefoxのナンバリングを採用していましたが、2016年からは独自のナンバリングに移行しています。
マルチプラットフォーム: MacやLinuxなど、さまざまなプラットフォームに対応しており、有志による非正規版も存在します。
AVXサポート: 64bit版v33.3.0 (2024-08-13)より、AVX対応プロセッサが必須となりました。

歴史

Pale Moonは、かつてAndroidにも対応していましたが、リソース不足のため、バージョン25.9.6をもって開発を終了しています。

参考文献

窓の杜 - 【レビュー】「Pale Moon」 - Firefoxをベースにした軽量Webブラウザ
Pale Moon adopts new Goanna browser engine, fine tunes interface
Goanna
Pale Moon 26.0 has been released - gHacks Tech News

脚注

関連項目

Basilisk (ウェブブラウザ): Firefox Quantum（バージョン57以降のFirefox）におけるアドオンの非互換などを理由に、その直前のバージョンのFirefoxからフォークしたブラウザで、Pale Moonと同じ開発者によって開発されています。

外部リンク

* Pale Moon

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