Golden Marriage

Golden Marriage

『Golden Marriage』（ゴールデンマリッジ）は、アダルトゲームブランドensembleが2014年5月30日に発売した18歳以上対象の恋愛アドベンチャーゲームです。同ブランドの「お嬢様」シリーズ第3作にあたり、学園を舞台にしたラブコメディが展開されます。

作品テーマとコンセプト

本作の中心的なテーマは「結婚」です。タイトルには、「素晴らしい結婚」と「金銭目的の結婚」という二重の意味が込められています。物語では、日本の著名な財閥の御曹司である主人公が、巨額の資産と向き合いながら「お金」と「真実の愛」の間で揺れ動く様子が描かれます。様々な思惑を持つヒロインたちとの交流を経て、主人公が純粋な愛情に目覚めていく過程が主軸となります。これまでのシリーズと比較して、より踏み込んだ恋愛描写が特徴です。

2015年3月27日には、続編となる『Golden Marriage -Jewel Days-』が発売されました。

ゲームシステム

ゲームは典型的な恋愛アドベンチャー形式で、マウスクリックなどでテキストを読み進めます。物語中の選択肢によりストーリーが分岐し、攻略対象となるヒロインごとのエンディングを目指します。攻略可能なヒロインは基本5人ですが、パッチ適用で6人となります。

あらすじ

物語は、日本を代表する財閥、立花グループの後継者問題から始まります。会長の甥である主人公、立花渚が正式に後継候補となりますが、亡き両親の遺言により、継承条件として生涯の伴侶を見つける必要が生じます。立花グループの次期当主として結婚相手を選ぶことになった渚の周囲は、騒がしくなります。

一方、渚が通う聖涼学園では、年末の一大イベント「樺祭」の準備が進んでいます。フィナーレを飾る伝統的なダンスパーティー「プロムナード」では、特別な鐘の音の時にパートナーに想いを告白し成就すれば「永遠の愛が約束される」という言い伝えがあります。結婚という現実的な問題と、学園行事のロマンチックな言い伝えが交錯する中で、物語が展開されます。

登場人物

立花 渚: 主人公。立花財閥とヨーロッパ王家の血を引くが、過去の事故で家族を失った唯一の生存者。伯父の屋敷でエルヴィラ、久美と共に暮らす。聖涼学園に通いながらアルバイトもする。地震で屋敷が学園女子の一時的な寮となり、ヒロインたちと共同生活を送ることに。特別な背景を持ちつつも、ごく普通の青年として描かれます。

メインヒロイン:
一条寺 透子: 一条寺グループ令嬢。渚と家族ぐるみの付き合い。人見知りで夜型、ゲーム好き。渚の資産運用を代行し収入を得る。地震後渚の屋敷へ。人気投票1位。
天谷 玲: ヴィオラ奏者。音楽活動のため、金銭を目的に渚に接近・転校してきた。渚の境遇を知り改めて惹かれる。渚のクラスメートで「究極の善人」と評される。
丹下 花純: 渚の後輩でバイト仲間。父の会社倒産で貧しい生活を送るが、借金から渚に救われ屋敷に出入り。家庭的で菓子作りが得意。主人公と対照的な境遇。
春日野 紫子: 聖涼学園生徒会執行部会長。才色兼備で学園生の憧れ。「春の化身」と呼ばれる。寮損壊後渚の屋敷へ。完璧すぎる自分に悩む一面も。
島影 瑠璃: 聖涼学園3年。紫子の親友でバイト仲間。実家は極道「島影組」。入学前に渚を助けた過去。腕は立つが乙女チックで、お姫様生活に憧れる。寮損壊後渚の屋敷へ。
マリーカ・フォン・ヴィッテルスバッハ: 渚の従姉妹。シュヴァルツェンベルク王国のお姫様。堅苦しい王宮生活を嫌い来日。天真爛漫。幼い頃渚と結婚の約束をした。パッチで攻略可、FDでヒロイン昇格。

* サブキャラクター: 渚の現在の「母」で理事長のエルヴィラ、亡母の元護衛望月 久美、花純の双子の弟妹丹下 桃・梅、そして立花グループと敵対するライナー・レオンハルトらが物語に関わります。

制作スタッフ・主題歌・サウンド

企画・メインシナリオはたにかわたかみ、原画は早川ハルイらが担当。音楽はアメディオが手掛けました。

主題歌としてオープニングテーマ「Jewel Love」「marry me?」、エンディングテーマ「優しい世界」があります。続編でも主題歌が制作されました。初回版にはサウンドトラック集が、続編予約特典にはボイスドラマ付きサウンドトラックCDが付属しています。

反響

本作は発売月の売上において、各集計で上位を獲得しました（PCpress 3位、Getchu.com 3位、BugBug 2位）。年間でもGetchu.comで29位を記録。ファンディスクも月間、年間ともに一定の売上を記録しました。

ユーザー人気投票では、本作発売月にGetchu.comで4位を獲得。投票結果に基づき、人気キャラクターの抱き枕カバーなどの関連商品が発売されています。

ゲーム雑誌『BugBug』のレビューでは、シナリオがテンポの良い掛け合いで物語とヒロインを描く「正統派」として評価され、登場人物の軽妙なやり取りや、専門知識の解説が平易で理解しやすい点が注目されました。一方で、日常描写の一部が退屈に感じられる可能性も指摘。友人から婚約者という恋愛関係の始まり方が新鮮で、その後の展開における「萌え」を加速させる効果があったと分析されています。

関連情報

ensemble設立10周年記念タペストリーなど関連商品が制作されました。また、他作品との世界観共有として、本作の舞台駅が『恋はそっと咲く花のように』の隣駅として登場します。

他ブランドとのコラボレーションとして、『お嬢様はご機嫌ナナメ』受賞記念のコラボサイン色紙配布や、オンライン麻雀ゲーム『桃色大戦ぱいろん』へのヒロイン参加などが行われました。

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