H.モーザー

H. Moser & Cie (エイチ モーザー アンド シー)

H. Moser & Cie（エイチ モーザー アンド シー）は、スイスのシャフハウゼンに拠点を置く高級時計ブランドです。その最大の特徴は、ムーブメントを自社で一貫製造するマニュファクチュールであることです。

概要

H.モーザーは、シンプルな三針時計から、パーペチュアルカレンダー、フライングトゥールビヨン、ミニッツリピーターといった複雑機構搭載モデルまで、幅広いコレクションを展開しています。独自機構として、秒針停止機能、交換可能な「モジュール型脱進機」、姿勢差を補正する「シュトラウマン・ヘアスプリング」などが挙げられます。

多くのモデルに採用されている「フュメ」文字盤は、グラデーションが美しい独自の色合いで、ブランドの個性を際立たせています。また、同社は「Swiss Made」表示の基準に異議を唱え、あえて表示をしないことで、真のスイス製へのこだわりを示しています。

沿革

H.モーザーのルーツは、時計師ハインリヒ・モーザーが1828年にロシアで設立した「H.Moser & Co」に遡ります。彼はその後スイスに戻り、IWCの創業にも協力しました。ロシア革命後、会社は国有化されましたが、スイスでの製造は続けられました。

しかし、1970年代のクォーツショックにより、1979年にH.モーザーは一度廃業します。その後、2002年にユルゲン・ランゲとロジャー・ニコラス・バルジガーによって「モーザー シャフハウゼンAG」として復活。2012年には、メイラン家が経営権を取得し、エドゥアルド・メイランがCEOに就任しました。

現在、H.モーザーはジュネーブサロン（SIHH）を中心に新作を発表し、高級時計の世界で独自の地位を確立しています。

特別モデル

H.モーザーは、伝統的な時計製造の技術と革新的なアイデアを融合させた、数々のユニークなモデルを発表しています。

Swiss Alp Watch: アップルウォッチ風のデザインを取り入れたモデルで、伝統的な時計製造と現代的なデザインの融合を試みています。
Swiss Mad Watch: ケースにスイスチーズを練り込んだポリマーを使用した、文字通り「100%スイス製」を表現したモデルです。スイスの伝統とユーモアを組み合わせたユニークな試みです。
Swiss Icons Watch: 複数の有名時計ブランドのデザイン要素を組み合わせたモデルで、業界へのメッセージを込めた意欲作でしたが、後に販売が取りやめになりました。
Moser Nature Watch: ケースに生きた植物を植え込んだ、自然との調和をテーマにしたモデルです。時計業界におけるサステナビリティへの意識を高めることを目指しています。
Endeavour Cylindrical Tourbillon H. Moser x MB&F: MB&Fとのコラボレーションモデルで、シリンダー型ひげゼンマイのフライングトゥールビヨンを搭載しています。両ブランドの個性が融合した、革新的なデザインが特徴です。
Swiss Alp Watch Final Upgrade: 「スイス・アルプ・ウォッチ」シリーズの最終モデルで、Vantablack文字盤とスピニングピンホイールのデザインが特徴です。

コレクション

(詳細なコレクション内容については、公式ウェブサイト等をご参照ください)

脚注

(参考文献や出典元などを記載)

関連項目

* インターナショナル・ウォッチ・カンパニー

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