H2O (米米CLUBのアルバム)

米米CLUBの13枚目のアルバム『H2O』は、1996年3月21日にSony Records（現ソニー・ミュージックレコーズ）から発売されました。前作『SORRY MUSIC ENTERTAINMENT』がコンセプトアルバムの要素を含んでいたのに対し、本作は新体制となってから初のオリジナルアルバムとなります。

アルバムタイトル『H2O』は、「HUMANLY HEARTY ODYSSEY」の頭文字を取ったもので、このタイトルが示すように、楽曲は従来のファンクやロックを基調としたものから大きく変化し、カジュアルなポップスが中心となっています。これまでの米米CLUBには見られなかったタイプの楽曲が多く、新たな音楽性を提示しています。歌詞の面でも、「大人な恋」をテーマにしたものが多く、成熟した大人の恋愛模様を描いています。また、タイトルの「水」は、「お水」すなわち「水商売」の世界をイメージした楽曲が多いことを暗示しており、アルバム全体を通して、その世界観が表現されています。

ボーカルは、全曲カールスモーキー石井（石井竜也）が担当しています。これまでのアルバムでは、ジェームス小野田（小野田安秀）のボーカル曲が必ず収録されていましたが、本作では小野田がメインボーカルを務める楽曲は収録されていません。これは、米米CLUBの音楽性の変化とともに、ボーカルの役割も変化したことを示唆しています。

初回限定特典として3Dホログラムが付属し、一部楽曲はアルバムバージョンとして収録されています。

収録曲は以下の通りです。

1. もしも
2. STYLISH WOMAN
3. IMITATION GUY（編曲：金子隆博 & 有賀啓雄）
4. すべてはホントでウソかもね
5. EASTER BELL NORTH
6. KISSING BLUE（編曲：金子隆博）
7. SOUL SNAKE
8. Slow-motion Memories
9. JUST MY FRIEND（編曲：金子隆博）
10. 愛がまわるよ
11. まだ わからない（編曲：金子隆博）

全曲、作詞・作曲は米米CLUBが担当し、編曲は有賀啓雄が担当していますが、「IMITATION GUY」「KISSING BLUE」「JUST MY FRIEND」「まだ わからない」は金子隆博も編曲に参加しています。「愛がまわるよ」は「すべてはホントでウソかもね」のカップリング曲、「まだ わからない」は「JUST MY FRIEND」のカップリング曲です。

『H2O』は、米米CLUBの新たな一面を垣間見ることができる、意欲的な作品と言えるでしょう。

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