HAPPY BIVOUAC

『HAPPY BIVOUAC』（ハッピー・ビバーク）は、日本のロックバンド、the pillowsが1999年に発表した8枚目のオリジナルアルバムです。

当時のthe pillowsは、精力的に作品をリリースしており、このアルバムは前作『RUNNERS HIGH』に続く、同年に発表された2枚目のアルバムとなりました。この作品から、the chewinggum weekendの鈴木淳がサポートベーシストとして参加し、2014年のアルバム『ムーンダスト』まで、15年以上にわたりバンドのサウンドを支えることになります。

the pillowsのアルバムの特徴として、表題曲はラストまたはラストの直前に配置されることが多いのですが、本作では異例にも1曲目に収録されています。この構成は、当時のバンドのアルバムとしては珍しい試みでした。

ボーカルの山中さわおは、当時アメリカのオルタナティヴ・ロックバンド、ピクシーズをフェイバリットに挙げていました。「Back seat dog」は、ピクシーズの楽曲「Here Comes Your Man」へのオマージュであり、曲調が意図的に似せて作られています。楽曲の最後に山中が「Here Comes Your Man」と歌うことで、その影響を明確に示唆しています。また、「Kim deal」は、ピクシーズの元ベーシストであるキム・ディールにインスパイアされて制作されました。山中は、後にキム・ディールが活動するバンド、ブリーダーズの来日時に、このアルバムを彼女に贈っています。

「Crazy Sunshine」と「Funny Bunny」の2曲は、実は前々作の『LITTLE BUSTERS』制作段階ですでに原型が完成していました。プロデューサーの吉田仁から、歌詞を付けて完成させるように指示されていましたが、山中が「間に合わせで歌詞を埋めるような作業はできない」と固辞したため、見送られていました。代わりに、パンチのある楽曲として「Hello,Welcome to Bubbletown's Happy Zoo(Instant show)」、「LITTLE BUSTERS」の2曲が制作されることになったという経緯があります。

アルバムには、全12曲が収録されています。

1. HAPPY BIVOUAC
2. RUSH
- 16thシングル。ベストアルバム『Once upon a time in the pillows』にも収録。
3. LAST DINOSAUR
4. カーニバル
- 15thシングル。ベストアルバム『Fool on the planet』にも収録。ミュージックビデオは猿島で撮影。
5. Our love and peace
6. Crazy Sunshine
7. Back seat dog
- noodlesのYOKOがコーラスで参加。
8. Kim deal
9. Funny Bunny
- アニメ『フリクリ』や『SKET DANCE』で使用された。
10. Beautiful morning with you
11. Advice

全曲の作詞・作曲は山中さわおが担当しています。

このアルバムは、the pillowsの音楽性を深く理解する上で重要な作品の一つであり、その後のバンドの活動にも大きな影響を与えました。オルタナティブロックの影響を受けつつも、the pillows独自の音楽性が確立されており、多くのファンに愛されています。

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