HARIO

HARIO株式会社：耐熱ガラスの可能性を追求するリーディングカンパニー

HARIO株式会社は、1921年の創業以来、耐熱ガラス製品の製造・販売で日本のトップメーカーとして活躍を続けています。東京都中央区に本社を置く同社は、国内唯一の耐熱ガラス工場を保有する企業であり、その歴史は理化学製品の製造販売から始まりました。社名は、「ガラスの王様」を意味する「玻璃王（はりおう）」に由来しています。

理化学から家庭用品へ：技術と革新の軌跡

創業当初は理化学用品の製造販売を行っていたHARIOですが、1948年、耐熱ガラス「HARIO Glass」の特性と、長年培ってきたガラス加工技術を活かし、コーヒーサイフォンの製造に着手しました。これが家庭用品分野への進出のきっかけとなり、現在ではガラス製品にとどまらず、生活を豊かにする様々な製品を開発・販売しています。

環境への配慮と持続可能な社会への貢献

1990年代から環境問題への意識が高まる中、HARIOは安全な素材を使用した製品づくりを推進してきました。現在も天然素材である耐熱ガラスのリサイクルや、グラスウールの材料としての再利用など、環境負荷低減に積極的に取り組んでいます。SDGsの目標達成にも貢献する企業活動は、HARIOの企業理念を象徴するものです。

多彩な製品群：デザイン性と機能性の融合

HARIOの製品は、そのデザイン性と機能性の高さから高い評価を受け、数々のグッドデザイン賞を受賞しています。代表的な製品として、世界中で愛用されているコーヒー用ドリッパー『HARIO V60』があります。円錐形とスパイラル状の凹凸が特徴のこのドリッパーは、2005年の発売以来、多くのバリスタに支持され、世界的な人気を博しています。

ガラス食器

創業以来、コーヒーサーバーや急須など、様々なガラス食器を提供し続けてきました。これらの製品は、その美しいデザインと使いやすさから、家庭で広く愛用されています。

工業製品

自動車用非球面レンズやフォグレンズなどのプレス製品も製造しており、その技術力は高く評価されています。また、ニュートリノ観測装置カミオカンデに使用された光電子増倍管のガラスバブルにも、HARIOの耐水性の高い「ハリオ32」が採用されました。

ガラスの楽器

HARIOは、ガラスという素材の可能性を追求し、世界初のガラスバイオリンやチェロ、ビオラ、そしてガラス製の琴、コーンスピーカー、さらには日本の伝統和楽器である笛、小鼓、大鼓、太鼓などの製作にも成功しています。ガラスの楽器は、湿気に強く、硬度が高いため、ゆがみが少なく、特に低音域では迫力のある良音を奏でることができると高い評価を得ています。

歴史と発展：技術革新とグローバル展開

HARIOの歴史は、数々の技術革新と挑戦の歴史でもあります。1921年の創業以来、耐熱ガラスの溶融技術、生産設備、そして製品開発において常に先端技術を追求し、その成果は、数々の特許や賞を受賞したことからも明らかです。近年では、海外展開も積極的に行い、アジア、アメリカ、ヨーロッパなど世界中に事業を拡大しています。

文化財としての価値：ハリオグラスビル

HARIOの本社ビルであるハリオグラスビルは、1932年に建築された登録有形文化財です。銀行支店建築の好例として知られるこの建物は、現在も本社ビルとして活用されるとともに、同社の耐熱ガラス食器のショールームとしても機能しています。

未来への展望：技術革新と持続可能性

HARIOは、これからも耐熱ガラスの可能性を追求し、新しい製品開発、技術革新、そして持続可能な社会への貢献に努めていくでしょう。その活動は、私たちの生活を豊かにし、未来への希望を灯すものとなるに違いありません。

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