HARVEST 〜LIVE SEED FOLKS Special in 葛飾 2014〜

『HARVEST 〜LIVE SEED FOLKS Special in 葛飾 2014〜』は、シンガーソングライター山崎まさよしにとって通算5作目となるライブアルバムです。2015年 4月22日にAugument Recordsより発売され、規格品番はXNAU00005/6となっています。本作は、山崎まさよしのキャリアの中でも特徴的な編成で行われた公演を記録した貴重な音源です。

制作背景と収録ライブ

このアルバムに収められているのは、2014年4月26日に東京のかつしかシンフォニーヒルズ、モーツァルトホールで開催されたスペシャルライブ『LIVE SEED FOLKS Special in かつしか』の模様です。この公演は、山崎まさよしが2012年から2014年にかけて開催していた全国ツアー『SEED FOLKS』のスペシャル版として位置づけられています。『SEED FOLKS』ツアーが「種を蒔く人」をコンセプトに、様々な形で音楽を届ける試みであったのに対し、このスペシャル版では「弦カルテットとのアコースティックスペシャルライブ」という、より限定的かつ濃密な形式が採用されました。

音楽的な特徴

本ライブ、そして本作の最大の特色は、演奏形態にあります。ステージに立ったのは、山崎まさよし自身のギターやピアノによる弾き語りと、精鋭揃いの室屋光一郎ストリングスによる弦楽四重奏のみ。室屋光一郎（第一ヴァイオリン）、伊藤彩（第二ヴァイオリン）、榎戸崇浩（ヴィオラ）、堀沢真己（チェロ）という布陣で、山崎の歌声と楽器演奏を彩ります。収録された楽曲は全て、緻密なストリングアレンジが施されており、その編曲は、過去に「YAMAZAKI MASAYOSHI ARENA 2005」や「YAMAZAKI MASAYOSHI Concert at SUNTORY HALL」などでオーケストラの指揮・編曲を手がけた服部隆之が担当しています。服部氏の手腕により、弦楽器のみというシンプルな構成ながらも、楽曲の持つ情緒や深みが最大限に引き出されています。アコースティック楽器と弦楽四重奏が織りなすサウンドは、山崎まさよしの楽曲に新たな息吹を与え、聴き手に情感豊かな体験をもたらします。

リリース形態と経緯

このライブ音源は、まず音源として先行リリースされました。2014年5月28日には、山崎まさよしにとって自身初となるハイレゾ・ライブ音源として配信が開始されます。その後、歌手デビュー20周年という記念すべき年を迎えた2015年の第一弾リリースとして、4月22日にCDアルバム化が実現しました。これにより、より多くのファンが高音質でライブの感動を追体験できるようになりました。

また、特別な仕様として、ライブ会場およびファンクラブ会員限定で販売された豪華版も存在します。こちらの限定版には、2014年に配信されたハイレゾ音源をダウンロードできるカードと、ライブの瞬間を捉えたフルカラーフォトブックが同梱されました。さらに、ファンクラブ会員限定の特典として、2015年4月24日からスタートした「Yamazaki Masayoshi Strings Quartet "HARVEST"」ツアーの各会場でのMCを聴くことができる特設ページへのURLが記載されたポストカードも付属しており、ファンにとっては垂涎のアイテムとなりました。

その後の展開

2014年の『LIVE SEED FOLKS Special』を機に確立された、山崎まさよしと室屋光一郎ストリングスによる弦楽四重奏という編成は、その後の活動にも大きな影響を与えました。2015年には、本作と同じタイトルを冠した全国ツアー「Yamazaki Masayoshi Strings Quartet "HARVEST"」が開催され、この編成での演奏がさらに深められました。さらに2018年の「BANQUET TOUR」など、その後もライブやツアーでこの形式が採用されており、山崎まさよしの音楽表現の幅を広げる重要なスタイルの一つとなっています。

収録曲

本作の収録曲は、Disc 2のトラック10を除く全ての楽曲が、作詞・作曲を山崎将義（山崎まさよし）、編曲を服部隆之が手掛けています。これは、今回の特別な編成とアレンジに一貫性を持たせるための構成と言えるでしょう。

『HARVEST 〜LIVE SEED FOLKS Special in 葛飾 2014〜』は、山崎まさよしの豊かな音楽性と、弦楽四重奏が織りなす繊細かつ力強い響きが見事に融合した作品であり、アーティストのキャリアにおける重要な節目の一つを記録したライブアルバムと言えます。

もう一度検索