HD Photoの概要
HD Photo(エイチディー フォト)は、
マイクロソフトによって開発された静止画像用の圧縮アルゴリズムおよび
ファイルフォーマットです。この技術は、特許を保持しており、Windows Mediaファミリーの一部とされています。HD Photoは、最初は「Photon」として知られていましたが、2006年5月に「Windows Media Photo」として発表され、その後2006年11月に現在の名称に改名されました。
特徴と利点
このフォーマットの大きな特徴は、JPEGよりも高い圧縮率を実現し、非可逆圧縮だけでなく可逆圧縮にも対応している点です。最大で96ビットカラー(1チャンネルあたり32ビット)をサポートしているため、より豊かな色表現が可能です。さらに、HD PhotoはJPEG 2000と比較しても計算負荷が軽いとされながら、高圧縮時の画質はJPEGよりも良好です。
HD Photoの開発段階では、2007年7月にJoint Photographic Experts Groupによって標準化の検討が進められ、新たに「JPEG XR」として誕生しました。2009年にはこの規格が国際規格ISO/IEC 29199-2:2009として認められています。
コンテナ形式
HD Photoは、TIFFのようなコンテナ形式を採用しており、画像データはImage File Directory (IFD) タグのテーブル内に格納されます。このIFDタグは、画像データに加え、オプションとしてアルファチャンネルのデータ、HD Photoメタデータ、XMPメタデータ、Exifメタデータなどを含むことができます。特にアルファチャンネルを使用する場合、対応しないアプリケーションでも利用できるように、異なるデータとして区別して格納されます。
また、HD PhotoはTIFFが持つ各種制約にも従っています。
対応ソフトウェア
HD Photoフォーマットは、以下のようなソフトウェアでサポートされています:
- - Windows Vista以降のOS
- - .NET Framework 3.0をインストールしたWindows XPおよびWindows Server 2003
- - Windows Imaging Component
- - Internet Explorer 9
- - Windowsフォトギャラリー
- - Microsoft Expression Design
- - Adobe Photoshop CS2/CS3(WindowsおよびMac OS X向け)
- - IrfanView(プラグイン必要)
- - Paint.NET(ベータ版プラグインあり)
- - XnView(プラグイン必要)
- - Xara Xtreme Pro
- - Fast Picture Viewer
- - viewx
- - WEOX/HDPV
- - WIC Susie Plug-in
- - Ralpha
- - PhotoShifter - ウェイバックマシン
- - 縮小革命
- - Corel PaintShop Photo Pro X5
HD Photoは、効率的な画像圧縮と高品質な画像表現を両立させた技術として、主にデジタル画像の保存や共有の分野で活躍しています。
参考資料
- - HD Photo Specification のダウンロードリンク等の詳細は公式サイトをご参照ください。