HSR-350x

HSR-350x（High-Speed Rail 350km/h eXperiment）

HSR-350xは、韓国が時速350kmでの走行を目指して開発した高速鉄道車両です。このプロジェクトは、交通問題の改善だけでなく、国の科学技術を国際的な水準に引き上げることを目的としています。1996年12月に開発が始まり、2002年には車両が完成、さらに2008年までの間に試験走行が行われました。

開発の経緯

1995年に韓国の技術者たちは、高速鉄道計画の策定を始めました。しかし、当時は独自にその技術を開発するための基盤が十分に整っていなかったため、現代ロテムと鉄道研究所は合計10年にわたって、車両の研究開発に取り組みました。HSR-350xの目標は、時速350kmでの営業運転を実現することでした。これに対し、韓国のKTXはフランスのTGVを基にした設計で、時速300kmでの営業運転を行っています。

具体的には、HSR-350xの開発計画には約4260万ドルの予算が投じられており、計画は5年で終了する予定でした。また、これにより韓国は、高速鉄道技術の持つ輸出の可能性に期待を寄せ、貿易収支の改善も見込んでいました。

HSR-350xの特長

この車両は、世界で初めてIGCT素子をインバータに導入した鉄道車両であり、三相交流誘導電動機を採用することで高出力化に成功し、整備費の低減も実現しています。また、ブレーキシステムは電子指令式空気ブレーキで、高い応答性を発揮します。

さらに、軽量化のためにアルミ押出成形材が使用され、車体幅も2950mmに拡大した結果、乗客の居住性が向上しました。パンタグラフの改良により、車両の空気抵抗も削減されています。

速度記録

試作機は、韓国鉄道研究所（KRRI）で製造され、最初の試験では時速100kmに達しませんでした。しかし、その後の試験では2004年12月16日に天安から新灘津間で時速352.4kmを記録し、自己の持つ時速343.5kmの記録を塗り替えました。

国際的な位置づけ

国際鉄道連合は、専用線を時速250km以上で走行する鉄道を「高速鉄道」と定義していますが、韓国のメディアは時速300km以上の運行をこの定義に含めています。KRRIは、HSR-350xの開発成功により、フランス、ドイツ、日本に続く世界で4番目の独自開発国になると述べています。これにより、韓国は高速鉄道技術を保有する7カ国（フランス、ドイツ、日本、イタリア、韓国、スペイン、アメリカ）の一員となることを目指しています。

最終的には、韓国はこの高速鉄道技術の発展を通じて、世界の4強の一角を占め、中国、台湾、アメリカへの車両提供を目指しています。

関連項目

• - 韓国高速鉄道
• - KTX-山川
• - HEMU-430X

外部リンク

• - 韓国鉄道技術研究院（朝鮮語）

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