HURRY GO ROUND

「HURRY GO ROUND」は、hideのソロ活動における11枚目のシングルであり、hide with Spread Beaver名義としては4枚目の作品です。この楽曲は、hideの生前に制作されたものの、彼の死後にシングルとしてリリースされました。デモ音源を基に関係者が完成させたという背景を持ち、hideの音楽に対する情熱と創造性が色濃く反映されています。

楽曲の背景

この楽曲は、元々「memo2」という仮タイトルで、1997年の冬に山中湖での曲作り合宿で制作されました。当初は2つのデモバージョンが存在し、1つは「Hi-Ho」に近いアレンジの「memo2/山中湖レゲエバージョン」、もう1つは「memo2/山中湖3拍子バージョン」でした。hideとI.N.A.は、この2つのバージョンを融合させ、曲の前半を4/4拍子、後半を3/4拍子としながら、ヒップホップやレゲエの要素も取り入れた独特のリズムを生み出しました。

hideは、3拍子のリズムがメリーゴーランドのようだと感じ、「回る回るだねぇ」と語っていました。また、I.N.A.がhideの口ずさんだメロディーをストリングスで弾いた際、hideは「おっ、イイねぇ。ストリングス！」と絶賛しました。翌日、歌詞が完成し、「memo2（仮）」は「HURRY GO ROUND」と名付けられました。hideは仮のアコースティックギターとボーカルを録音しましたが、ストリングスパートの録音直前に「この曲はもう（完成型が）見えたから終わり」と述べ、一旦保留されました。I.N.A.はストリングスパートを記憶し、後に生のストリングスを録音しました。

hideは仮ギターしか録音していなかったため、本番のレコーディングではPATAとKIYOSHIがギターを担当しました。そのため、『Ja,Zoo』に収録されている楽曲の中で唯一、hideが楽器を演奏していない曲となっています。

当初、このシングルは9月頃にリリースされる予定で、カップリングにはSpread Beaverによる「TELL ME」の一発録りが収録される予定でした。しかし、hideの急逝により、リリースは延期されました。

シングルは1998年11月2日付のオリコン週間シングルランキングで2位を獲得しました。

hide Seva [C-Aid]では、CHIROLYNがアコースティックギターを弾きながらボーカルを務めました。その際、普段CHIROLYNが担当するベースはX JAPANのHEATHが演奏しました。

2007年5月2日には、「MISERY」「Beauty & Stupid」「ROCKET DIVE」「ever free」と共にマキシシングルとして再発売されました。

楽曲解説

「HURRY GO ROUND」は、日本テレビ系『スーパーテレビ情報最前線』のエンディングテーマとして使用されました。

hide 20th Memorial Projectとして制作された映画『HURRY GO ROUND』と同時期に、トリビュート・アルバム『hide TRIBUTE IMPULSE』の制作が進められました。この過程で、発売から20年越しにボーカルの別テイクが発見され、オリジナルテイクのPATAによるアコースティック・ギターの演奏に乗せ、「HURRY GO ROUND (hide vocal Take2)」として映画の主題歌に採用されました。この音源は後に『hide TRIBUTE IMPULSE』にも収録されました。

「HURRY GO ROUND (voiceless version)」も収録されています。

収録アルバム

Ja,Zoo (#1)
hide SINGLES 〜Junk Story〜 (#1)
hide PERFECT SINGLE BOX
We Love hide 〜The Best in The World〜 (#1)
hide TRIBUTE IMPULSE (#1、別バージョン)
“Musical Number” 〜ROCKミュージカル ピンクスパイダー〜 (#1)
* 子 ギャル (#1)

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