I Like Party

チューリップの『I Like Party』

『I Like Party』は、チューリップの通算17枚目のアルバムであり、1985年8月31日にリリースされました。このアルバムは、バンドが従来の宇宙的な音楽性から離れ、より都会的でポップなスタイルにシフトしたことを示しています。

音楽スタイルと特徴

この作品では、シンセサイザーが多用され、デジタルなアレンジが全面に出ています。特に、チューリップの特色とも言えるコーラスには、財津和夫の多重録音が使われており、その独自の響きが特徴です。一方、当時バンドを離れたメンバーである安部俊幸、姫野達也、伊藤薫の参加がほとんどなく、新たなメンバーの松本淳や外部のミュージシャン、鳥山雄司が加わることで新しいカラーが生まれました。財津自身もこのアルバムを「第2.5期」と位置づけています。また、プロデューサーの新田和長は本作から外れています。

ジャケットとメンバーの変遷

アルバムのジャケットには、顔を洗う財津の横顔が描かれており、脱退したメンバーが影を落としています。このアルバムの正式発表は翌年の1986年ですが、ツアー「I Like Party」においてその情報はすでに明らかになっていました。ジャケット内では、メンバーの写真が紹介されており、特にサポートメンバーの松本は財津や他のメンバーと同じサイズで掲載されていますが、安部の写真は異様に小さくなっており、彼の脱退の影響を感じさせます。こうした背景から、このアルバム以降の楽曲が1997年の再結成後のライブで演奏されない理由の一つとなっています。

楽曲収録情報

本アルバムには、様々な楽曲が収められており、それぞれの曲は独自の魅力を持っています。特に「涙のパーティー」は後にシングルカットされ、同一テイクが収録されています。また、収録曲の「いま確かなこと」や「まるで愛のように」は、それぞれ異なるメンバーがボーカルを担当しており、多様な音楽的アプローチが感じられます。一方、タイトル曲は本アルバムには収録されていませんが、当該ツアーのライブアルバム『コンサートはチューリップ』にはライブ版が含まれています。さらに、その後の2007年には、タイトル曲のみがベストアルバム『Request 〜TULIP FAN SELECTION BEST〜』に収録されています。

制作スタッフと謝辞

本作は、Fumie Kanekoによってプロデュースされ、Toshiyuki “TOPPY” Iiizumiがエンジニアを務めました。多くのスタッフが関与しており、バンドの音楽が進化する中で彼らの貢献も重要でした。音楽の制作過程には、数多くのミュージシャンや技術者が関わっており、その努力がこのアルバムに反映されています。

『I Like Party』は、その革新的なサウンドと変遷の中で、チューリップの音楽史において重要な位置を占める作品となっています。

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