Iチャネル

iチャネル：ドコモの携帯電話向け情報配信サービス

2005年から2013年までNTTドコモが提供していた「iチャネル（i-channel）」は、FOMA端末向けの待受画面に情報を表示するサービスでした。ピーク時には約1700万人の利用者を誇り、携帯電話のライトユーザー層への情報提供を目的としていました。

サービス概要

iチャネルは、ニュースや天気予報といった基本情報を待受画面にテロップ表示するサービスです。マクロメディアのFlash Cast技術を利用しており、対応機種では専用のボタンを押すことで、全画面表示に切り替えることも可能でした。季節に合わせた背景画像が表示されることも特徴の一つでした。

料金体系

月額料金は税抜150円でした。この料金には、ドコモが配信する基本情報（ベーシックチャネル）の更新に必要なパケット通信料が含まれていました。ただし、これはヘッドライン部分のみで、詳細な情報を確認する際には別途パケット通信料が発生します。

企業などが配信する「おこのみチャネル」を利用する場合は、パケット通信料に加えて、チャネル毎に情報料が必要となる場合もありました。対応機種を購入時にサービスに申し込まなかった場合でも、「おためしサービス」として30日間無料で利用することができました。

コンテンツと対応機種

iチャネルでは、ニュース、天気予報、芸能・スポーツ情報など、多様な情報を提供していました。2008年からは一部機種で動画ニュースの配信も開始されました。動画ニュースの利用には、パケット定額サービスへの加入が必須でした。

対応機種は、FOMA端末の701iシリーズ以降の機種、そしてドコモスマートフォンのAndroid搭載機種、iPhone 5c/5sなどが含まれていました。機種によって、テロップ表示の対応状況や、利用できるチャネルが異なる場合があります。具体的な対応機種リストは、NTTドコモの公式ウェブサイトを参照ください。

サービスの目的と特徴

iチャネルは、iモードを頻繁に利用しないライトユーザー層に、手軽に情報を提供することを目的としていました。そのため、iモードのコンテンツプロバイダーと競合しないよう、簡潔な情報提供に留めていました。

沿革

iチャネルは2005年9月にサービスを開始し、その後、対応機種の拡大やコンテンツの拡充、スマートフォンアプリの提供など、継続的なサービス改善が行われました。2006年にはニュース提供元が読売新聞から毎日新聞に変更されるなど、サービス内容は進化を遂げています。

2009年には、ドコモ・ヨーロッパが英国のMVNOサービスでiチャネルを提供開始したり、ドコモパシフィックがグアムとサイパンで「MAX CHANNEL」として提供を開始するなど、海外展開も試みられました。

2011年にはAndroid搭載のスマートフォン向けアプリが提供開始され、スマートフォンユーザーにも利用が広がりました。しかし、スマートフォンの普及に伴い、iチャネルは徐々に利用者が減少していき、最終的にサービス終了となりました。

競合サービス

iチャネルと同様の情報配信サービスは、auの「EZニュースフラッシュ」、SoftBankの「S!速報ニュース」などが存在していました。これら競合サービスは、パケット通信料を除いて無料提供されるものが多く、ニュース提供元も異なっていました。また、SoftBankの「ステーション」は、位置情報を利用したサービスでしたが、2010年にサービスを終了しています。

まとめ

iチャネルは、日本の携帯電話黎明期において、多くのユーザーに手軽に情報を提供した画期的なサービスでした。その歴史と特徴を知ることは、現代のモバイル情報サービスを考える上で重要な意味を持ちます。

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