Iモード絵文字

iモード絵文字について

iモード絵文字（アイモードえもじ）は、NTTドコモが開発した携帯電話向けの特別な文字セットです。この絵文字は、主にiモード対応の携帯端末で使用され、271種類の記号や顔文字で構成されています。これらは主に電子メールやスケジュール機能で使われ、特にピクトグラム形式の記号が特徴的です。たとえば、「わーい」や「電車」、「電話」といった日常的な表情やアイコンがこれに該当します。

iモード絵文字は、2000年代初頭に登場し、当初はNTTドコモの独自形式で開発されました。この絵文字のデザインは、建築家の青木淳が担当しています。彼の手によるデザインは、当時のモバイル通信環境において新しいコミュニケーションの形を提供しました。

これらの絵文字は、元々はNTTドコモのiモード端末専用として作成されており、他の携帯電話端末やパソコンとは基本的に互換性がありませんでした。しかし、2005年頃からNTTドコモは携帯電話業界の他キャリア、例えばau（KDDI）、ソフトバンクモバイルなどと連携し、異なるキャリア間での絵文字の相互変換が可能になりました。

加えて、PHSやコンピュータ環境とも互換性はありませんが、ウィルコムに関しては2008年に絵文字変換機能が導入され、相互の使用が開始されました。また、これに合わせてPC用のフォントも開発され、多くのユーザーが見ることのできる環境が整備されました。

文字集合と仕様

iモード絵文字は、基本セットと拡張セットの2つのグループに分類されます。拡張セットはHTML4.0に対応した新しい端末でのみ利用可能です。そのため、古い機種では拡張セットの絵文字が表示できないこともあります。

具体的には、1つの絵文字には色が設定されており、「わーい」や「電車」、「バス」といったアイコンにはそれぞれ色が割り当てられています。初期型の端末ではカラー表示ができず、すべての絵文字が黒一色で表示されるケースが一般的でした。

TRONコードとUnicodeの採用

iモードの絵文字は、TRONコードとしても収録されています。TRONコードは、特定のオペレーティングシステム向けの広範な文字セットですが、その第9面にはiモード絵文字の領域も含まれています。ここでは、文字コードが定義されており、これを用いることでiモード文書の読み取りが行えます。

また、2010年にはUnicode 6.0が公開され、ここでiモードの絵文字も公式に他のキャリアの絵文字と共に採用されました。Unicodeでの表記が可能になったことで、絵文字の利用範囲はさらに広がりました。

iモード絵文字の展望

これらiモード絵文字に関連する他の絵文字セットも登場しており、たとえばLモード絵文字やWILLCOM絵文字、イー・モバイル絵文字などがある。これらの絵文字は、元のiモード絵文字のデザインを踏襲しているか、独自のアレンジが施されたものです。

さらに、2016年にはニューヨーク近代美術館でiモード絵文字が展示され、デジタルコミュニケーションの文化的価値も評価されました。こうした背景を持つiモード絵文字ですが、今後も新しい形として進化していく可能性を秘めています。

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