Lモードとは
Lモードは、かつて
東日本電信電話(NTT東日本)と
西日本電信電話(NTT西日本)が提供していた、
固定電話回線を利用した
インターネット接続サービスです。
NTTドコモの携帯電話向け
インターネット接続サービス「iモード」を
固定電話に応用したようなサービスで、電話回線に接続した専用端末から
インターネットにアクセスできました。
サービスの概要
Lモードは、
2001年6月にサービスを開始しました。サービス名の「L」は、Living(生活)、Local(地域)、Lady(女性)、Large(大型)を意味しており、
主婦層をターゲットにしていました。専用端末には大型液晶画面が搭載され、メニューサイト「Lメニューリスト」から、ニュース、
天気予報、地域情報、グルメ、レシピなどのコンテンツにアクセスできました。また、プッシュ配信型のメールサービス「Lメール」も利用可能でした。
通信方式は、アナログ
モデムによる回線交換接続で、接続時間に応じて通信料が発生する従量制課金でした。iモードに似た画面レイアウトや操作性が採用されていましたが、通信速度は最大33.6kbpsと、現在の
インターネット環境に比べると非常に遅かったです。
サービス開始当初は、
固定電話の買い替え需要と合わせて普及を目指していましたが、ブロードバンド回線の普及に伴い、その魅力は薄れていきました。
サービスの特徴
ターゲット: 主婦層を想定
端末: 大型液晶画面搭載の専用端末
コンテンツ: ニュース、天気予報、地域情報、グルメ、レシピなど
メール: プッシュ配信型メールサービス「Lメール」
通信方式: アナログモデムによる回線交換接続
課金方式: 時間従量制課金
特徴: iモードに似た操作性、FAXでの画面印刷機能
競合サービス
Lモードに対抗して、日本テレコム(現ソフトバンク)が「J-web」という類似サービスを提供していました。しかし、こちらもLモードと同様に、ブロードバンドの普及とともに利用者が減少しました。
サービス終了
Lモードは、ブロードバンド回線の普及や、携帯電話の普及により、利用者が伸び悩みました。2004年には、フレッツ回線を利用した「Lモード on フレッツ」を開始しましたが、利用者の減少に歯止めはかからず、2006年に新規受付を終了し、2010年3月31日にサービスを終了しました。
2004年7月に開始された、フレッツ回線を利用したLモードサービスです。電話回線ではなくブロードバンド回線を利用することで、高速通信が可能になりました。しかし、接続できる回線がフレッツに限定されていたため、他社ブロードバンド回線ユーザーは、乗り換える必要がありました。
Lモード契約者が外出先の公衆電話でLモードを利用できるカードです。ICカード式公衆電話に挿入して、Lモード公式サイトやウェブサイトを閲覧できました。しかし、ICカード式公衆電話の廃止に伴い、Lモードカードも利用できなくなりました。
Lモード絵文字
Lモードでは、iモードと同様に絵文字が利用できました。iモードの絵文字に、Lモード専用の絵文字が追加されていましたが、一部のiモード絵文字は表示されませんでした。
対応機種メーカー
Lモードに対応した端末を発売した主なメーカーは以下の通りです。
パナソニック コミュニケーションズ
シャープ
NEC
キヤノン
三洋電機
パイオニアコミュニケーションズ
ソニー
* NTT東日本・NTT西日本(
フレッツフォンVP1000)
まとめ
Lモードは、
固定電話回線を利用した
インターネット接続サービスとして登場しましたが、ブロードバンド回線の普及や携帯電話の進化に伴い、その役割を終えました。しかし、iモードの技術を応用したサービスとして、日本の
インターネット史における一つの足跡を残しました。