IBooks Author

iBooks Authorは、Appleが開発・提供していた無料の電子書籍オーサリングアプリケーションです。2012年1月19日に発表され、教育者や小規模出版社が手軽に高品質な電子書籍を制作できるツールとして注目を集めました。

主な特徴

WYSIWYGエディタ: テキスト、色、画像、インタラクティブウィジェットなどをドラッグ＆ドロップで配置し、見たままに編集できます。KeynoteやPagesと似た操作感で、直感的に操作できます。目次や用語集の自動生成機能も搭載しています。
多様な出力形式: 作成したドキュメントはPDF形式で保存できるほか、iBooks Storeで販売・配布することも可能です。ただし、iBooks Storeでの有料販売にはAppleの承認が必要で、無料配布には制限がありませんでした。
独自のファイルフォーマット: 出力形式はEPUBに類似したApple独自のプロプライエタリなフォーマット（.iba）を採用しています。独自拡張が含まれているため、EPUBドキュメントとしての閲覧や編集はできません。

歴史

iBooks Authorは、2012年1月19日にニューヨークで開催された教育関連イベントで発表されました。同時にiBooks 2と教科書向けの新しいiBooks Storeカテゴリもリリースされ、教育分野への注力が示されました。当初、iBooks Authorで作成された電子書籍はApple Bookstoreでのみ販売可能という制限がありましたが、後に利用規約が改定され、PDFやテキストファイルとしての書き出しも可能になりました。

バージョン履歴

バージョン 1.0 （2012年1月19日）
バージョン 1.1
バージョン 2.0
バージョン 2.1
バージョン 2.2 （2014年10月16日）
バージョン 2.3 （2015年6月30日）
バージョン 2.4 （2015年10月7日）
* バージョン 2.5 （2016年9月20日）

開発終了とPagesへの移行

2020年7月27日、AppleはiBooks Authorの今後のアップデート予定がないことを発表しました。今後は、iBooks Authorで作成したファイル（.iba）をPagesで編集することが推奨されています。

iBooks Authorは、その使いやすさから多くのユーザーに支持されましたが、Pagesの機能拡充により、その役割を終えることとなりました。Pagesでは、iBooks Authorで作成したファイルを編集できるだけでなく、より高度なレイアウトやデザインも可能です。電子書籍作成ツールとしては、PagesがiBooks Authorの後継として位置づけられています。

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