ICD-10 第8章:耳および乳様突起の疾患

ICD-10 第8章: 耳及び乳様突起の疾患

本章では、『疾病及び関連保健問題の国際統計分類』第10版（ICD-10）における耳と乳様突起に関連する疾患の詳細を紹介します。これらの疾患は、外耳、中耳、内耳、及び耳のその他の障害に分かれています。

外耳疾患 (H60-H62)

外耳の疾患に関するコードH60からH62には、さまざまな感染症やその他の障害が含まれています。

• - 外耳炎 (H60) : 外耳炎は外耳道での炎症を指し、膿瘍や蜂巣炎などが含まれます。症状には赤み、腫れ、痛みなどがあり、感染症が原因である場合があります。特に悪性の外耳炎は、重篤な症状を引き起こすことがあるため、早期の診断と治療が必要です。

• - 外耳のその他の障害 (H61) : ここには、耳垢栓塞や後天性外耳道狭窄などが含まれ、外耳道に関連する問題が多岐にわたります。これらの障害も、聴力に影響を与える可能性があります。

中耳及び乳様突起の疾患 (H65-H75)

中耳やその周辺の健康状態を示すコード群です。主要な疾患には、非化膿性中耳炎、化膿性中耳炎、耳管炎などがあります。

• - 中耳炎 (H65, H66) : 中耳炎は、急性や慢性のものがあり、特に幼少期の子供に多く見られる病気です。急性化膿性中耳炎は、耳の痛みと共に発熱を伴うことがあります。慢性の場合は、繰り返し発症することも多く、治療が必要です。

• - 乳様突起炎 (H70) : 乳様突起の炎症は、しばしば中耳炎が原因で起こります。急性および慢性の菌感染が考えられ、適切な治療がない場合は合併症に発展することがあります。

内耳疾患 (H80-H83)

内耳に関連する疾病群で、主に聴覚や平衡感覚に影響を与えるさまざまな状態が含まれています。

• - 耳硬化症 (H80) : 耳硬化症は内耳に影響を及ぼし、主に聴力に障害をもたらします。特に二つのタイプが分けられ、前庭窓や蝸牛に関連する障害があります。

• - 前庭機能障害 (H81) : メニエール病や前庭神経炎など、めまいを引き起こす疾患が含まれます。これらの病気は、バランス感覚を損なうことがあり、生活の質に大きな影響を及ぼします。

耳のその他の障害 (H90-H95)

耳に関連したその他の障害についてコード化されています。

• - 難聴 (H90, H91) : 伝音難聴や感音難聴、混合難聴が分類され、特に老人性難聴は高齢者に多く見られます。

• - 耳痛や耳内貯留 (H92) : 耳痛や耳漏、耳出血などが含まれ、これらの症状は感染や外的要因によって起こることがあります。

最後に、これらの疾患はそれぞれ異なる症状を示し、診断や治療において専門的な知識が必要です。病院での適切な診断と治療が健康を守るためには不可欠です。

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