ICE 4

ICE 4：ドイツ鉄道の次世代高速列車

ICE 4は、ドイツ鉄道（DB）が運行する高速列車ICE（Intercity-Express）シリーズの最新型車両です。従来のICE 1、ICE 2の置き換えと、将来的なICE網の拡充を目的に導入されました。

概要

従来のICEシリーズは高速化に重点が置かれていましたが、ICE 4では経済性が重視されています。最高速度はやや控えめですが、多様な両数の編成に柔軟に対応できる設計となっています。

量産先行車は2015年1月に落成し、同年3月には10両から12両編成への注文変更、同年12月にはICxからICE 4へと名称が変更されました。2016年秋から14ヶ月の試運転を経て、2017年12月から営業運転を開始する予定でしたが、試運転中に異常振動が発生したことが報じられました。

車両構造

ICE 4は、以下の特徴的な構造を持っています。

車体: 全長は約29mで、収容能力を向上させるために貫通路の数を減らしています。車体は鋼製で、レーザー溶接を適用することで軽量化を図っています。
外観: 前面形状はICE 3に類似していますが、より多くの平面で構成されています。運転席はICE 3と同様に車体中央部に配置されており、複線の通行方向が異なる国でも対応可能です。
動力方式: 動力分散方式（MT比1:1）を採用し、制御装置はインバータ制御方式です。最高速度は編成によって異なり、3M4T編成では量産先行車が230km/h、量産車が250km/h、5M5T編成が249km/h、6M6T編成が250km/h、7M6T編成が265km/hです。

編成

ICE 4は、7両編成、12両編成、13両編成が存在します。

12両編成の場合、全長は346m、座席数は830席（1等205席、2等625席）となります。

TSI適合

ICE 4は、欧州鉄道機関の相互運用性を確保するTSI（Technical Specifications for Interoperability）に適合しています。速度の境界が250km/hであるTSIの等級区分において、K3sの10両編成を190km/h以上250km/h未満の「クラス2」とすることで、設備投資を抑えることが可能となります。

今後の展望

ICE 4は、経済性と柔軟性を兼ね備えた次世代の高速列車として、今後のICE網の拡充に貢献することが期待されています。

参考資料

Deutsche Bahn AG (2021年6月). Fahrzeuglexikon für den Fernverkehr (PDF). 2022年1月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月2日閲覧。

関連項目

ヴェラロ

外部リンク

Der neue ICE4 Deutsche Bahn AG公式 （ドイツ語）
* The ICE 4 - the new DB platform シーメンス・モビリティ公式 （英語）

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