IDEOS

IDEOS（イデオス）

IDEOS（イデオス）は、華為技術（ファーウェイ）が手掛けたAndroid OSを搭載したスマートフォンで、W-CDMAおよびGSM通信方式に対応しています。日本国内では2010年12月25日に日本通信がBM-SWという名称で発売され、多くのユーザーに親しまれました。

開発背景

先進国においてスマートフォンが普及する中、高級な端末が購入できない中低所得層向けに、IDEOSは開発されました。製品の想定販売価格は100〜200ドルとされ、エントリーレベルのスマートフォンとして位置づけられています。IDEOSは、安価な中国製スマートフォンが経験する問題を解消するために設計されており、Android Market（現在のGoogle Play）を利用でき、GPS機能も備えています。

このスマートフォンは、卵型に近いデザインを持ち、付属する4色の背面カバーによりカジュアルな印象を与えています。IDEOSは、900/1700MHz（Band IX）や900MHz/AWS（Band IV）などに対応した複数のモデルがあり、地域によって異なる仕様が提供されています。

日本国内における展開

日本では、日本通信とTikiTikiインターネットがIDEOSを販売しており、またイー・モバイル向けにはU8150-92がS31HW（Pocket WiFi S）という名称で取り扱われています。海外では、ドイツや北米においてT-モバイルがU8150-Aを「COMET」という名前で販売し、グローバルに展開されているブランドです。IDEOSは、その手ごろな価格から多くのユーザーに人気がありました。

この端末は日本国内においても利用可能ですが、ほとんどの並行輸入品には技適マークが付いていないため、日本国内での使用には制限があります。既存の関連法規に抵触する可能性があるため、注意が必要です。

日本通信版

日本通信が発売したIDEOSは、「おこづかいで持てるスマートフォン」として、当時税込価格26,800円で販売されました。回線契約なしに購入可能で、テザリング機能を持ちながらもNM-ドコモのFOMAネットワークに対応できることを特徴としています。日本向けに特別なファームウェアが導入されており、FOMAプラスエリアにも対応している他、日本語フォントも追加されています。

また、IDEOSにはいくつかのバリエーションがあり、10日間使用できるb-mobileSIM U300が添付されたモデルや、1GBの定額SIMが付属するモデルも存在します。2012年8月の時点で、IDEOSは19,800円で販売されており、コストパフォーマンスの良さから好評を得ていました。

低速のデータ通信契約でも使える050IP電話サービス「モバイルIPフォン」も用意されており、ユーザーに便利な選択肢を提供しています。

技適騒動

日本通信のIDEOSは、ファーウェイが改良したモデルに基づいて日本向けにカスタマイズされ、適法に技適マークが付けられています。しかし、イー・モバイルが独占的に販売していたPocket WiFi Sは、不法な端末としての販売中止を求めました。この問題は最終的に総務省に持ち込まれることとなりましたが、BM-SWに関する電波法上の問題は認められず、販売は続けられることとなりました。

結論

IDEOSは、価格と機能を両立させており、中間層を狙ったスマートフォンの代表的な存在です。国内外での多様な展開により、幅広いユーザーに届いている製品と言えるでしょう。

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