IMI ガリル

IMI ガリル（Galil）とは

IMIガリルは、イスラエルのIMI（イスラエル軍需工業）社によって開発された歩兵用小銃で、現在はイスラエル・ウェポン・インダストリーズ（IWI）によって生産されています。この小銃は、その名前に開発者のひとりでありロシア出身のイスラエル・ガリリに由来しています。

開発の背景

1950年代までイスラエル国防軍はFN FALライフルを使用していましたが、1967年の六日間戦争を機に、その性能の限界を見直す必要が生じました。FN FALの長さや砂漠での取り扱いの難しさが問題視される中、M16やHK33などの新型ライフルの試験が行われましたが、最終的にはガリル・ライフルが選択されました。このライフルはRk 62の特性を取り入れつつ、NATO標準の5.56x45mm弾を採用し、全体の長さを短縮して携帯性を向上させました。

特徴

IMIガリルは、厳しい環境下でも高いパフォーマンスを発揮できるよう設計されています。マガジンは基本の35発と50発が用意され、STANAGマガジンも使用可能です。また、両側にセレクターが設けられており、使いやすさが考慮されています。特筆すべき機能には、栓抜きとワイヤーカッターがあり、特に前線での実用性を追求しています。

バリエーション

IMIガリルには多くのバリエーションが存在します。ARMモデルは、ハンドガードに栓抜きやバイポッドを装備し、軽機関銃としての役割も果たします。また、ARモデルは軽量化され、特に軍や輸出市場での需要があります。更に、短縮版のSARやマイクロ・ガリルなどもラインナップされ、使用シーンに応じて選択できます。

国際的な展開

IMIガリルは、南アフリカから中南米の国々、さらには東南アジアに至るまで幅広く採用されています。特に過酷な環境での運用に適しており、南アフリカやフィリピン、トリニダード・トバゴなど多くの国で活躍しています。さらに、ライセンス生産も行われており、様々な国で陸軍や警察に使用されています。

現在の状況

2009年にはガリル・エースという新しいシリーズが発表され、より現代的なニーズに応える改良が施されています。このシリーズは、7.62x39mm弾仕様も追加され、AK-47系マガジンの互換性も持っています。また、近年のモデルはアクセスしやすい配置のコッキングハンドルや、ピカティニー・レールの装備が特徴となっています。

IMIガリルは、設計から生産、国際的な展開まで多様な歴史を持ち、今日でも多くの国の軍で使用され続けています。その高い耐久性と適応性から、特に過酷な環境において信頼される武器となっています。

もう一度検索