INGグループ

INGグループ：世界を舞台に活躍する総合金融機関

INGグループは、オランダを起源とする国際的な総合金融機関です。その名称はInternationale Nederlanden Groepの略称であり、世界50カ国以上で幅広い金融サービスを提供しています。従業員数は過去には8万4000人を超える規模に達し、アムステルダムに本社を置く巨大企業として知られています。ユーロネクスト・アムステルダムとニューヨーク証券取引所に上場しており、高い知名度と信頼性を誇ります。

歴史：合併と買収で成長を遂げる

INGグループの歴史は、1991年にオランダの大手保険会社と郵便貯金銀行が合併したことに始まります。その後、積極的な買収戦略を展開し、ベアリングス銀行、Banque Bruxelles Lambertなどの著名な金融機関を買収することで規模を拡大していきました。アメリカ、カナダ、イギリスなど世界各国で事業を展開し、グローバルな金融ネットワークを構築。2000年代に入ると、アメリカやメキシコの金融機関買収も進め、事業の多角化を図っています。中国の北京銀行への出資やトルコの銀行買収など、アジア市場への進出も積極的に行いました。

事業再編とNNグループの分離

2000年代後半には、グループの事業ポートフォリオを見直し、保険部門と資産運用部門を再編する動きが活発化しました。2009年には経営分割を発表し、2013年にはこれらの部門をNNグループとして分離。その後、2016年にはNNグループの株式を全額売却しました。日本においても、ING生命保険株式会社とING投信株式会社はNNグループに移行しています。

資金洗浄疑惑と和解

2018年には、オランダ検察当局との間で、7億7500万ユーロの和解金を支払うことで合意しました。これは2010年から2016年にかけて、INGの銀行口座が資金洗浄に使われた疑いに関する調査によるものです。この事件は、国際的な通信業者VEONによる資金洗浄疑惑や、ウズベキスタン元大統領の娘への賄賂送金疑惑など、複数の問題を含んでおり、世界的な金融危機以降継続していた調査の大きな転換点となりました。VEONの株主には、世界的に有名な投資ファンドや金融機関が含まれています。

日本における事業

日本では、INGホールセールバンキングが東京にオフィスを構え、法人顧客向けの営業活動を行っています。一方、個人顧客向けの事業は、NNグループに移行しています。

スポーツスポンサーシップ

INGグループは、積極的にスポーツスポンサーシップにも取り組んできました。特に、ルノーF1チームのメインスポンサーとして知られています。2007年から2009年シーズン途中までスポンサー契約を結んでいましたが、ルノーチームのクラッシュゲート事件を受けて契約を打ち切っています。その他、サッカーオランダ代表、F1グランプリ、AFCアジアカップ、ニューヨークシティマラソンなど、様々なスポーツイベントを支援しています。

INGハウス：アムステルダムのランドマーク

アムステルダムにあるINGハウスは、2000年から2012年までINGグループの本社として使用されていた特徴的な建物です。その独特のデザインから観光名所にもなっており、「お金のなる靴」という愛称で親しまれています。現在も一部が公開されており、一般の人も内部を見学できます。

まとめ

INGグループは、合併と買収、そして事業再編を通じて、グローバルな金融機関としての地位を確立してきました。世界的な金融危機や資金洗浄疑惑といった困難にも直面しながら、現在も世界中で事業を展開しています。積極的なスポーツスポンサーシップ活動からも、そのグローバルな企業戦略の一端を見ることができます。

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