NNグループ

NNグループ：歴史と事業内容

NNグループ（NN Group N.V.）は、オランダ・ハーグに本社を置く、グローバルに展開する保険と資産運用を専門とする老舗企業です。その歴史は1845年、オランダ東部ズトフェンで設立された火災保険会社にまで遡ります。当初は「ネーデルランデン保険会社」として活動し、その後ハーグに移転、積極的な海外進出を展開。1857年にはオランダ植民地のバタヴィア（現ジャカルタ）に進出し、1859年には再保険事業を開始しました。19世紀中には世界400拠点という規模にまで成長を遂げました。第二次世界大戦後の復興期には、アメリカ合衆国やオーストラリアにも事業を拡大し、そのグローバルネットワークをさらに強化しました。

1932年からロッテルダムを拠点とするナショナーレ保険会社と協力関係にあった同社は、1962年に合併し「ナショナーレ・ネーデルランデン（Nationale-Nederlanden）」として新たなスタートを切りました。その後も成長を続け、1984年にはAMFAS-Groepを買収、1991年にはNMBポストバンクとの合併を経て、INGグループの一員となりました。1992年にはロッテルダムに超高層ビル「Nationale-Nederlanden building」を建設し、新たな拠点として使用開始しました。1994年には資産運用に特化した子会社も設立するなど、事業ポートフォリオの多様化にも積極的に取り組んできました。

2007年から始まった世界金融危機の影響で、INGグループは経営危機に陥り、欧州委員会は公的資金援助の条件として、銀行部門と保険・資産運用部門の分離を指示しました。この決定を受けて、2013年に保険・資産運用部門がNNグループとして独立、2014年には株式公開を果たし、2016年にはINGグループはNNグループ株式の売却を完了しました。この独立を機に、NNグループはヨーロッパと日本市場に事業を集中することになりました。アメリカやオーストラリアなど、それまでNNグループが展開していた地域は、INGグループが引き継ぐこととなりました。

スポーツへの関与も積極的に行っており、1988年から2009年まではサッカーオランダ代表の公式スポンサーを務め、2015年からはロッテルダムマラソンのスポンサーとなっています。このように、NNグループは長い歴史とグローバルな事業展開を通じて、多様な金融サービスを世界中の人々に提供しています。

日本における事業展開

NNグループの日本事業は、1982年にシェル石油のオフィスでの代理店開設から始まりました。生命保険分野では、1986年に「ナショナーレ・ネーデルランデン生命保険株式会社」として設立。1997年には「アイエヌジー生命保険株式会社」に、そして2015年には現在の「エヌエヌ生命保険株式会社」に商号変更しました。東京に本社を置くほか、全国各地に営業拠点を展開し、生命保険事業を展開しています。2020年には東京本社をニューオータニガーデンコートから渋谷スクランブルスクエアに移転しました。

資産運用分野では、1999年に設立された「アイエヌジー投信株式会社」が、2015年に「NNインベストメント・パートナーズ株式会社」に商号変更し、現在も事業を継続しています。東京に本社を置いています。

2023年2月には、エヌエヌ生命保険が、節税効果を過度に強調した保険商品の販売に関して、金融庁から業務改善命令を受けました。これは、同社の事業運営において重要な出来事であり、今後の事業展開に影響を与える可能性があります。

NNグループは、長い歴史とグローバルな事業展開、そして日本市場における確固たる地位を背景に、今後も保険・資産運用分野で重要な役割を果たし続けることでしょう。しかしながら、近年の金融規制強化や市場環境の変化に対応しながら、持続的な成長を遂げていくことが求められています。

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