INSAT

INSAT（インド国家衛星システム）

INSAT（Indian National Satellite System）は、インド宇宙研究機関（ISRO）によって打ち上げられた、多目的静止衛星システムです。電気通信、放送、気象観測、捜索救難といった幅広い用途を目的としています。

1983年にINSAT-1Bが運用を開始されたことでINSATシステムは確立され、アジア太平洋地域における最大の国内衛星通信システムへと発展しました。この事業は、宇宙局、電気通信局、インド気象局、All India Radio、インド国営テレビ放送が共同で実施し、INSAT Coordination Committeeが全体の協力とシステム運用を統括しています。

INSATシステムの概要

INSAT衛星は、インド国内におけるテレビ放送や電気通信のニーズに応えるため、Cバンド、Sバンド、Extended Cバンド、Kuバンドなど、多様な周波数帯のトランスポンダを提供しています。また、一部の衛星には、気象観測用の超高解像度放射計やCCDカメラも搭載されています。さらに、ISROがコスパス・サーサット（COSPAS-SARSAT）に加盟していることから、南アジアおよびインド洋地域における救難信号を受信するトランスポンダも備えています。

INSATシステムの最初の衛星であるINSAT-1Aは1982年4月に打ち上げられましたが、機能不全に終わりました。その後、1983年8月にスペースシャトルSTS-8でINSAT-1Bが打ち上げられ、本格的な運用が開始されました。INSATシステムは、インドにおけるテレビ・ラジオ放送、電気通信、気象分野において、僻地や島嶼部への情報伝達を促進するなど、大きな変革をもたらしました。気象観測専用衛星としては、Kalpana-1が運用されています。これらの衛星は、ハッサンおよびボーパールのコントロール施設で監視・制御されています。

運用状況

INSAT計画では、これまでに25機の衛星が打ち上げられており、2014年1月時点で以下の12機が運用されていました。

INSAT-3A（2003年3月打上げ）
INSAT-3C（2002年1月打上げ）
Kalpana-1（2002年9月打上げ）
INSAT-4A（2005年12月打上げ）
INSAT-4B（2007年3月打上げ）
INSAT-4CR（2007年9月打上げ）
GSAT-8 / INSAT-4G（2011年5月打上げ）
GSAT-12（2011年7月15日打上げ）
GSAT-10（2012年9月29日打上げ）
INSAT-3D（2013年7月26日打上げ）
GSAT-7（2013年8月30日打上げ）
GSAT-14（2014年1月5日打上げ）

運用を終えた衛星

以下は、運用を終えた主なINSAT衛星です。

INSAT-1A（1982年10月4日打上げ、1983年9月運用終了）
INSAT-1B（1983年8月30日打上げ、1990年運用終了）
INSAT-1C（1988年7月21日打上げ、1年程度で運用終了）
INSAT-1D（1990年12月6日打上げ、10年以上運用）
INSAT-2E（1999年4月3日打上げ、2012年4月3日運用終了）
GSAT-2（2003年5月8日打上げ）
GSAT-5P（2010年12月25日打上げ失敗）
Edusat(GSAT-3)（2004年9月20日打上げ）
INSAT-3E（2003年9月打上げ）

外部リンク

INSAT ISROホームページ

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