IPhone 5c

iPhone 5c：カラフルなデザインが特徴のスマートフォン

iPhone 5cは、Appleが2013年に発売したスマートフォンです。iPhone 5の後継機として登場し、iPhoneシリーズとしては第7世代目の機種にあたります。上位機種であるiPhone 5sと同時に発表され、2013年9月20日にアメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、日本、中国、香港、シンガポール、オーストラリア、プエルトリコで販売が開始されました。

概要

iPhoneシリーズは、初代iPhone発売以来、1年に1機種のペースで発表されてきましたが、2013年にはiPhone 5sとiPhone 5cの2機種が同時に発表されました。これにより、ユーザーはより多様な選択肢を持つことができるようになりました。

日本では、2013年11月22日にApple StoreでSIMフリーモデルの販売が開始されました。また、2014年3月には、ヨーロッパ、オーストラリア、中国向けに8GBモデルが発売されました。しかし、iPhone 6とiPhone 6 Plusの発表後、Appleのウェブサイトから商品案内ページが削除され、オンラインストアでの取り扱いも終了しました。

特徴

iPhone 5cは、iPhone 5の後継機種であり、5sとは異なり、多くの機能が5から引き継がれています。しかし、外観やカラーバリエーションなど、これまでのiPhoneにはない新しい試みも導入されています。

外観

従来のiPhoneは、白と黒を基調とした無彩色が採用されていましたが、iPhone 5cではパステルカラーのブルー、グリーン、ピンク、イエロー、ホワイトの5色が展開されました。これは、廉価版iPodシリーズと同様のマルチカラー戦略であり、iPhoneシリーズでは初めての試みでした。また、筐体には、iPhone 3GS以来となる一体成型のポリカーボネートが採用されました。これにより、本体の質量は132gとなり、iPhone 5や5sの112gから20g増加しています。ポリカーボネートの内側には、アンテナ機能を兼ねる薄い鉄板の補強フレームが接着されています。

内部

iPhone 5cには、指紋認証センサーは搭載されておらず、従来のホームボタンが使用されています。また、背面カメラのレンズはF値がf/2.4であり、5sのf/2.2と比較すると若干性能が劣ります。さらに、2種類のLEDフラッシュや写真撮影の自動手ブレ補正も搭載されていません。画面サイズや解像度は、4インチの液晶ディスプレイに640x1,136ピクセルで、iPhone 5や5sと変わりありません。

ソフトウェア

iPhone 5cには、iOS 7が搭載され、iOS 10までサポートが継続されました。しかし、2017年に発表されたiOS 11では、Apple A6のCPUが32-bitまでしか対応していないため、64-bitのiOS 11には対応できませんでした。

ハードウェア

SoCにはiPhone 5と同じApple A6が搭載されており、処理能力は同端末と大きく変わりません。しかし、バッテリー容量は1510mAhとiPhone 5の1440mAhより増加しており、待受時間は225時間から250時間へと向上しています。

通信システムとモデル

iPhone 5cは、各地域のLTEの周波数に合わせて5つのモデルが用意されています。モデルA1529は、従来のFDD方式に加えて、TDD方式のTD-LTEにも対応しています。日本では、各キャリアがA1456のモデルを発売しており、iPhone 5のバンド1と3に加えて、auの800MHz帯、ソフトバンクの900MHz帯、ドコモの800MHz帯が利用可能となりました。

価格設定に対する批判

iPhone 5cの価格設定については、アメリカでは5sと同容量のモデルとの差が100ドル程度であるのに対し、中国ではAndroidを搭載した安価なXiaomi製スマートフォンと比較して高価であると批判されました。これに対し、AppleのCEOであるティム・クックは、「低価格の電話を売ることを目標にしたことはない」と反論しました。

iPhoneのモデルのタイムライン

iPhone 5cは、iPhoneシリーズの中で、カラフルなデザインと廉価版という位置づけで、一つの時代を築いたモデルと言えるでしょう。

参考

* 公式ウェブサイト

公式ウェブサイト

もう一度検索