IPhone 6s

iPhone 6s：詳細な解説

iPhone 6sは、Appleが2015年9月に発表した第9世代のiPhoneです。前モデルのiPhone 6から大幅な進化を遂げ、多くのユーザーに支持されました。ここでは、その詳細な特徴や技術仕様、そして関連する問題点について詳しく解説します。

概要

iPhone 6sは、2015年9月9日にアメリカ・カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたAppleのイベントで、iPhone 6s Plus、12.9インチiPad Pro、iPad mini 4、Apple TV HDと共に発表されました。

2015年9月12日には予約が開始され、9月25日にニュージーランド、オーストラリア、日本などを含む国々で発売されました。日本では、NTTドコモ、KDDI・沖縄セルラー電話連合（au）、ソフトバンクの主要キャリアのほか、Apple StoreでもSIMフリー版が販売されました。

当初は16GB、64GBモデルが販売されていましたが、iPhone 7の発売後、32GBと128GBモデルに刷新されました。その後、Y!mobileとUQ mobileでも取り扱いが開始されましたが、2018年9月にはApple Storeでの販売が終了しました。しかし、NTTドコモではdocomo with対応機種として再販されました。

iOS 15では、iPhone 6sとiPhone 6s Plusがサポート対象となり、歴代最長の7年間のサポート期間を記録しました。しかし、iOS 16ではサポート対象外となりました。

特徴

パフォーマンス

iPhone 6sには、Apple A9チップが搭載され、CPU性能は70％、GPU性能は90％向上しました。また、モーションコプロセッサーM9がSoCに組み込まれ、バッテリー駆動時間の向上やSiriの常時起動が可能になりました。Touch IDも第2世代となり、認証速度が向上しました。

デザイン

外観はiPhone 6とほぼ同じですが、ケースにはアルミニウム7000シリーズが採用され、強度が2倍以上に向上しました。一方で、厚さが0.2mm、重量が20g増加しています。フロントガラスにはイオン強化ガラスが採用され、カラーバリエーションにはシルバー、ゴールド、スペースグレイに加え、ローズゴールドが加わりました。

3D Touch

新たに「3D Touch」というディスプレイの圧力を感知する機能が追加されました。これにより、軽く押し込む「Peek」と深く押し込む「Pop」という操作が可能になり、メールのプレビュー表示やリンクのプレビューなどが利用できます。また、ホーム画面でのアイコン押し込みによるクイックアクション、キーボードでのカーソル操作、アプリスイッチャーの表示など、様々な場面で活用できます。

カメラ

iSightカメラは12メガピクセルに増強され、4K動画撮影が可能になりました。また、「Live Photos」機能が追加され、写真撮影時に短い動画を記録できるようになりました。フロントカメラも500万画素に増強され、「Retina Flash」機能が追加されました。

通信システム

LTEは最大23バンドに対応し、LTE-Advanced（UE Category6）により下り最大300Mbpsの高速通信が可能になりました。VoLTEによる通話にも対応しています。Wi-FiはIEEE 802.11acに対応し、最大866Mbpsの通信が可能です。Bluetooth 4.2にも対応しています。

急速充電

iPhone 6sを急速充電するには、Apple 10Wまたは12W USB電源アダプタを使用する必要があります。30分で50%まで充電できます。

CPU Gate 問題

iPhone 6s/6s Plusに搭載されたA9チップは、サムスン電子製とTSMC製が存在し、製造プロセスに違いがあるため、バッテリー持続時間に差があることが指摘されました。これが「CPUゲート問題」と呼ばれるようになりました。Appleは、搭載コンポーネントの違いによる2%～3%の違いがあることを公式に認めました。

バッテリー残量表示問題

時刻やタイムゾーンを手動で変更すると、バッテリー残量が正しく表示されない問題があり、Appleが公式サポートページで修正方法を案内しています。

不具合と修理

Apple純正部品を使わずに修理した場合、タッチ入力に反応しない問題がありましたが、iOS 11.0.3で修正されました。非正規部品で修理すると保証対象外となります。

セキュリティホール

SecureROMにUse After Freeという問題が見つかっていますが、物理的にアクセス可能な場合のみコード実行が可能です。

iPhone 6s/6s Plus 電源が入らない問題に対する修理プログラム

特定のシリアル番号のiPhone 6s/6s Plusで電源が入らない問題が発生した場合、無償修理が行われます。

SIMロック解除

日本国内のSIMロック解除義務化に伴い、各キャリアのWebサイトやショップでSIMロックの解除が可能になりました。解除には各キャリアで手続きが必要です。

その他

iPhone 6s/6s Plusの発売時には、転売目的のトラブルを防ぐため、予約制や発売日の調整など、様々な対策が講じられました。

まとめ

iPhone 6sは、多くの新機能と技術革新を搭載したモデルであり、長期間にわたってユーザーに愛されました。しかし、CPUゲート問題やバッテリー表示問題など、いくつかの問題点も抱えていました。それでも、その高性能と使いやすさは、多くのユーザーを魅了し、スマートフォン市場において重要な役割を果たしました。

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