IRIN

国際連合人道問題調整事務所（OCHA）による報道機関「IRIN」

IRIN（統合地域情報ネットワーク）は、1995年に国連人道問題調整事務所（OCHA）によって設立された報道機関です。紛争や災害に関する情報発信を目的とし、アジアの一部、中東、サブサハラ・アフリカ地域を対象としています。

設立の背景

1994年のルワンダ虐殺とそれに続く難民危機は、当時の援助団体の情報網を大きく混乱させました。この事態を受け、人道援助関係者やその本部が協力し、迅速かつ公平な情報提供を目的としてIRINが設立されました。

IRINの活動

• - 情報提供の地域と分野の拡大：当初の対象地域に加え、中央アジアの一部や中東もカバーするようになり、情報利用者は100万人を超えています。2005年にはネパールも対象地域となり、配信先は62ヶ国に拡大しました。
• - 多言語での情報配信：主な配信言語は英語ですが、フランス語、スワヒリ語、ダリー語でも記事を提供しています。また、ロシア語、アラビア語、ポルトガル語でのサービスも計画されています。
• - 編集の独立性：IRINは国連機関の一部でありながら、記者の編集の独立性が保障されています。すべての記事には、国連の見解を示すものではないという但し書きが付されています。

IRINラジオ事業

2000年、IRINはラジオ事業を開始し、地域社会の課題に対する報道能力を強化しました。特に、人道危機に直面している地域では、ラジオが情報伝達の重要な手段となっています。IRINラジオは、アフガニスタン、アンゴラ、ブルンジなど、多数の国々で運営されています。

PlusNews

2001年には、アフリカにおけるエイズ関連情報のニーズに応えるため、専門部門であるPlusNewsが開設されました。ヨハネスブルグを拠点にサービスを展開し、2004年にはダカールでフランス語版も開始されました。

分析部門と短編映画制作

2003年には、ナイロビ本部に分析部門が設立され、国際的な問題に関する重要な報告書を発表しています。また、同年には北部ウガンダでの紛争に関する短編映画も制作されました。2004年には、短編映画部門が正式に開設され、女性器切除、蝗害、アヘン栽培といった様々なテーマの映画が制作されています。

情報の利用者

IRINの利用者は、人道援助関係者、学者、コンサルタント、政府関係者、メディアなど、多岐にわたります。特に、メディア関係者による二次利用も多く、実際のウェブサイトやメールサービスの利用者数よりもはるかに多くの人々がIRINの情報に触れています。

資金提供

IRINの主な資金提供者は、ノルウェー、イギリス、スウェーデン、アメリカ、EU、日本、オーストラリアなど、各国の政府機関や人道援助団体です。

外部リンク

• - IRIN（英語）
• - IRIN Photo（英語）
• - IRIN Film and TV（英語）
• - IRIN Radio（英語）
• - IRIN e-mail subscriptions（英語）
• - 2004 IRIN readership survey (PDF)（英語）
• - 2006 IRIN readership survey（英語）
• - PlusNews homepage（英語）
• - A collection of IRIN documentaries on OneWorldTV （英語）

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