ISO 1000

ISO 1000は、国際標準化機構（ISO）が制定した、国際単位系（SI）とその使用法に関する国際規格です。この規格の正式なタイトルは、「SI units and recommendations for the use of their multiples and of certain other units」（国際単位、並びにそれらの倍量及び特定のその他の単位の使用の推奨）です。

具体的には、ISO 1000は、SI単位系の基本単位、補助単位、および派生単位の定義、これらの単位の倍数と分数、さらには特定の他の単位の適切な使用法について、詳細なガイダンスを提供していました。この規格は、科学、工学、産業分野における国際的なコミュニケーションを円滑に進める上で、非常に重要な役割を果たしていました。

しかし、技術の進歩と国際的な標準化の必要性の高まりを受け、ISO 1000は2009年に、ISO/IEC 80000の一部として制定されたISO 80000-1によって置き換えられました。ISO 80000-1は、より包括的で最新の単位系に関する情報を提供し、より広範な分野での使用を考慮して作成されました。この規格は、物理量とその単位に関する国際的な標準を定めるものであり、ISO 1000の役割を引き継ぎ、より包括的なものへと進化しました。

日本においては、ISO 1000に相当する規格として、日本工業規格（JIS）のJIS Z 8203「国際単位系（SI）及びその使い方」がありました。しかし、国際的な規格との整合性を図るため、JIS Z 8203もまた、2014年にISO 80000-1を翻訳したJIS Z 8000-1に置き換えられました。

これらの規格の変遷は、単位系の国際的な標準化が継続的に進化していることを示しています。ISO 1000、ISO 80000-1、JIS Z 8203、JIS Z 8000-1は、いずれも国際単位系の正確な使用を促進し、科学技術における国際的な協力を円滑に進める上で重要な役割を果たしています。

関連情報として、国際単位系（SI）に関する詳細な情報は、ISOや各国の標準化機関によって提供されています。これらの規格は、技術者、科学者、およびその他の専門家にとって、国際的なコミュニケーションと協力において不可欠なツールとなっています。

参考情報

参考文献
ISO Standards Handbook: Quantities and units. 3rd ed., International Organization for Standardization, Geneva, 1993, 345 p., ISBN 92-67-10185-4 [1]
外部リンク
ISO 31/1000/80000
* JIS Z8203「国際単位系 (SI) 及びその使い方」 KIKAKURUI.COM (JIS規格の参考情報)

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