Intel Pentium (2010年)

インテル Pentium プロセッサー：歴史と進化、そして終焉

インテル Pentium プロセッサーは、1993年の登場以来、パーソナルコンピュータのCPUとして広く利用されてきた、非常に知名度の高いブランドです。当初はハイエンド製品として市場を席巻していましたが、時代とともにその位置づけは変化し、2010年代以降は、コストパフォーマンスに優れたエントリーレベルのCPUとして認識されるようになりました。2023年、PentiumブランドはIntel Processorブランドに統合され、約30年の歴史に幕を閉じました。

Pentium プロセッサーの系譜：各世代の特徴

Pentiumプロセッサーは、Pentium Dual-Coreの後継として2010年に登場しました。Nehalem、Sandy Bridge、Ivy Bridge、Haswell、Skylake、Kaby Lake、Coffee Lake、Comet Lake、Alder Lakeと、複数のマイクロアーキテクチャを採用した様々な世代の製品がリリースされました。各世代において、性能向上や省電力化、新機能の追加といった進化を遂げています。

デスクトップ向け:

Nehalem世代: LGA1156ソケットを採用。HD Graphics (Gen 5)内蔵。SSE4.1/4.2、AVX、HTなどは非対応。
Sandy Bridge世代: LGA1155ソケットを採用。HD Graphics (Gen 6)内蔵。AVX非対応。
Ivy Bridge世代: 22nmプロセスを採用し、消費電力を低減。DDR3-1600に対応。
Haswell世代: LGA1150ソケットを採用。HD Graphics (Gen 7.5)内蔵。DirectX12の脆弱性のため、一部ドライバーでサポートが無効化された経緯がある。
Skylake世代: LGA1151ソケットを採用。HD Graphics 530 or 510内蔵。
Kaby Lake世代: LGA1151ソケットを採用。HD Graphics 630 or 610内蔵。HT機能が有効化。
Coffee Lake世代: LGA1151ソケットを採用。UHD Graphics 630 or 610内蔵。Pentium Goldブランドへ変更。Windows 11対応。
Comet Lake世代: LGA1200ソケットを採用。UHD Graphics 630 or 610内蔵。
* Alder Lake世代: LGA1700ソケットを採用。UHD Graphics 710内蔵。PコアとEコアを採用。

モバイル向け:

モバイル向けPentiumプロセッサーも、デスクトップ向けと同様、各世代でアーキテクチャや機能が進化しました。主な違いは、ソケットの種類、対応メモリの種類、GPU、そして省電力設計です。各世代の詳細は、デスクトップ向けと同様、NehalemからAlder Lake世代まで、それぞれのアーキテクチャに基づいた仕様が存在します。

SoC向け:

SoC向けPentiumプロセッサーは、主に組込み機器で使用されました。Silvermont、Airmont、Goldmont、Goldmont Plusといったマイクロアーキテクチャがあり、省電力性やコストパフォーマンスを重視した設計となっています。Pentium Silverブランドも存在しました。

サーバー向け:

サーバー向けには、Sandy Bridge、Ivy Bridge、Broadwell世代のPentiumプロセッサーがリリースされました。これらの製品は、高い信頼性と安定性を求められるサーバー環境での使用に適した設計がされています。

組込み機器向け:

組込み機器向けには、特定世代に限定したPentiumプロセッサーが提供されました。これらの製品は、低消費電力、小型サイズ、高信頼性といった特徴を備えています。

Pentiumブランドの終焉

2022年9月、インテルは2023年第1四半期からPentiumおよびCeleronブランドを廃止し、「Intel Processor」ブランドに統合すると発表しました。これにより、長年にわたりPC市場を支えてきたPentiumブランドは、その歴史に幕を閉じました。Intel Processorブランドは、エントリーレベルからハイエンドレベルまで、幅広い製品を包含するブランドとして、Pentiumの後継を担っています。

まとめ

Pentiumプロセッサーは、長年にわたり数多くのPCユーザーに利用され、PC発展に貢献した重要なCPUブランドでした。その歴史と進化の軌跡は、PC技術の進歩を如実に示しています。ブランドとしてのPentiumは消滅しましたが、その技術はIntel Processorブランドとして受け継がれ、今後もPC市場を支えていくでしょう。

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